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北陸12月短観、回復幅小さく 半導体不足と原材料高

世界的な原材料高や半導体不足が北陸にも影響を与えている。日銀金沢支店が13日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、北陸3県の業況判断指数(DI)は、全産業がマイナス2だった。回復基調が続いているものの、製造業の失速で上昇幅は2ポイントにとどまった。製造業ではコストの上昇分を販売価格に転嫁する動きもみられた。

「久しぶりにみる数字がならんだ」。武田吉孝支店長は製造業の価格判断についてこう漏らした。仕入れ価格判断はプラス61と5期連続で上昇し、2008年のリーマン・ショック直前の水準になった。鉄やアルミといった鋼材のほか、原油高で樹脂やゴムの価格も上昇した。

販売価格判断は11ポイント上昇し、プラス10になった。武田支店長は「仕入れ価格の上昇を販売価格に上乗せしようとしている」と指摘する。「景気の回復局面にあたり、物価の上昇が期待できる。価格判断は数年前から注目していた」と明かす。

「過大」から「不足」を引いた製商品在庫水準判断は、1974年の全国統計開始以来、初めてマイナスの「不足超」に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、世界経済が回復している。急速な需要の増大に対し、供給が追いついていない状態が浮き彫りになった。

業種別の業況判断DIでは、原材料高を背景に、樹脂や医薬品といった化学が18ポイント下落した。半導体不足による完成車メーカーの減産で、輸送用機械は20ポイント下落した。一方で繊維や工作機械といった分野では受注の持ち直しが続き、製造業の業況判断DIは1ポイント上昇のプラス7となった。

非製造業はマイナス7で、5ポイント上昇した。宿泊・飲食サービスが81ポイント上昇のマイナス10で、回復が顕著だった。新型コロナの新規感染者数が減り、観光客が増加している。鉄道や高速バスといった運輸・郵便は6ポイント上昇のマイナス27だった。

コスト増に対応苦慮 観光では変異株に不安

半導体不足や原材料高に北陸企業も頭を悩ませている。コスト削減や販売価格への上乗せで乗り切ろうとするが、不透明感は拭えない。回復の伸びが顕著だった観光分野でも、新型コロナの変異株「オミクロン株」の流行を危惧する声がある。

自動車のメーターパネルの反射防止コーティングなどを手掛けるフクビ化学工業。担当者は11月の決算会見で「年末から年明けにかけて自動車メーカーの減産の影響が出てくる。月によっては半減する」と話した。「落ち込み分を今期中に回復できるか難しい」と明かした。

アルミサッシ大手の三協立山の担当者は「アルミ地金価格は期初に想定した1キロあたり325円よりも大幅に上昇している」という。「先物で買いヘッジを入れているがそれでも対処は難しい」と悩む。

パソコン周辺機器のアイ・オー・データ機器も半導体不足にあえぐ。無線LAN関連など一部の製品で納期が遅れている。担当者は「在庫を厚くし、リードタイムが長くならないよう対応している」と説明する。

観光では、先行きの不透明さを指摘する声もあった。金沢市のある飲食店の経営者は「年末の忘年会需要を期待したいが、変異株で客足が落ちるのが怖い」と漏らす。金沢彩の庭ホテル(金沢市)の担当者は「3カ月より先の予約でなく、感染状況などを予測した直前の予約が増えている」と指摘した。

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