雑草メタンガス発電で起業 石川県立大学の馬場講師
石川県立大学(石川県野々市市)の馬場保徳講師が、雑草や廃棄野菜を発酵させてメタンガスをつくり、発電にも使う防災研究を生かしたスタートアップを立ち上げた。パートナー企業を通じてプラントを商業施設や病院、防災施設などに供給し、平常時を含めたエネルギー源に活用してもらう。

社名は環境微生物研究所。野々市市に本社を置き、代表は馬場氏が務める。特許化を目指す技術の管理や発酵に欠かせない微生物を培養する役割を担う。大学内にはすでに試験プラントが稼働している。牛の胃の中にいる微生物を使って雑草などを分解してから発酵させることに成功した。微生物がプラントの中でも生き続けられる独自技術を持っている。
商業施設や防災拠点などで使うプラントを開発、製造するパートナー企業を2022年度中にも決める。石川県内外の企業と調整中だ。馬場氏は「スーパーや農業法人といったプラントの導入先も募集している」としている。
馬場氏は2011年の東日本大震災の当時、東北大学で食品の廃棄物を発酵させてメタンガスをつくる研究をしていた。震災直後に食品の廃棄物の調達が困難にとなったが、周囲に雑草が多いことに気づき、雑草発電の研究につながった。起業化は北陸の大学や自治体などが産学連携を促す「北陸RDX」の支援を受けたという。