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小田原市、副業で民間人材積極登用 イノベーション狙う

点照

首都圏の自治体で副業を通じて民間から専門人材を採用する動きが広がっている。遅れているデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担う人材が多い。

これまで自治体が民間人材を登用する場合は「任期付き職員」として採用するケースが一般的だったが、前職を辞める必要があり、応募のハードルが高かった。しかし、副業容認の流れが道を開いた。

さらに一歩進んで民間人材を積極的に登用しているのが神奈川県小田原市だ。重要政策として掲げる「公民連携」「移住定住」「女性活躍」の3分野について昨年6月、民間の転職支援サイトを通じて副業で事業コーディネーターを募集。1千人を超える応募があり、昨年10月に3人を採用した。3人は企業役員や会社経営者の30~40代で、副業のため勤務体系は月4日程度になる。

守屋輝彦市長は「今は行政の従来の施策や手法では対応できない課題が多くある。民間の柔軟な発想や優れた知見を取り入れ、スピード感を持って解決しなければならない」と強調する。

公民連携の拠点は昨年7月に小田原駅前の商業施設内にオープンした「おだわらイノベーションラボ」。同ラボには市職員が常駐してベンチャー企業と地元の企業をつなげたり、新規産業創出に向けた相談に応じたりしている。これまでの公民連携は実質的に外部委託型が多かったが、公民ともにメリットのあるパートナーシップ型をめざす。

移住定住では行政があまり実施してこなかった企業や団体を通じたアプローチを進める。女性活躍では、市の女性職員の昇任希望率や男性職員の育休取得率について、数値目標の達成を図る。

民間人材の登用で重要になるのは市職員との関係だ。民間人材が「改革」に突っ走るあまり、市職員との間であつれきが生じ、改革が頓挫することが懸念される。小田原市ではそうした事態を避けるため組織上の工夫もした。事業コーディネーターと職員がプロジェクトチームをつくるなどして一体となって改革案を作成している。

イノベーションを起こすには自前主義からの脱却が必要になる。例えば、海外の創薬分野では製薬企業、ベンチャー企業、研究機関が互いの得意分野を持ち寄り、一緒に開発するオープンイノベーションが主流だ。民間人材をどう登用するのか、どういう権限を持たせるのか、自治体の改革への「本気度」が問われている。(横浜支局長 仲村宗則)

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