神奈川県内の景気判断引き上げ 日銀11月

日銀横浜支店は8日、11月の神奈川県内の金融経済概況を発表した。景気判断は「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響がやわらぐもとで、持ち直している」とし、判断を引き上げた。判断の引き上げは20年11月以来2年ぶりとなる。新型コロナ感染の「第7波」の影響が懸念されたほど大きくなく、個人消費が堅調に回復した。
生産は「供給制約の影響がやわらぐもとで、持ち直している」とし判断を引き上げた。幅広い部品で依然として供給の余裕がない不安定な状態が続いているが、一時期に比べると供給は改善傾向にあるという。生産の回復に伴い、米国向けの自動車部品などの輸出が好調で、輸出の判断も「緩やかに持ち直している」との判断を維持した。
個人消費も「持ち直している」と判断を引き上げた。客足の回復した百貨店では高額商品が好調なほか、電気代高騰の影響で省エネ家電の販売も上向いている。政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」の効果もあり、宿泊業も堅調で、一部に「コロナ禍前の水準まで回復した」という声もあるという。
一方で、物価高の影響で、食料品などでは支出抑制もみられスーパー販売額は弱い動きとなっている。
先行きについて河西慎支店長は「コロナ禍の影響はやわらぎつつあるが、海外経済の減速が最大のリスク要因。不確実性がかなり高まっている」と指摘。欧米の急速な利上げによる景気の冷え込みリスクなどについて注視する必要があるとした。
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