東京・渋谷のハチ公、生誕100年へ祝福プロジェクト始動

東京都渋谷区は8日、2023年に生誕100年を迎える「忠犬ハチ公」を祝福するプロジェクトを始動したと発表した。ハチ公が生まれた秋田県大館市と連携し、JR渋谷駅前に像があり、区のシンボルとして親しまれているハチ公にまつわる逸話を後世に語り継ぐ。
「HACHI100」と銘打ち、記念事業を展開する。このほど渋谷区と大館市、渋谷区観光協会、秋田犬ツーリズム(大館市)などでつくる実行委員会を立ち上げた。23年11月にメインイベント「100年生誕祭」を大館市で開催し、ハチ公に関連する多彩な催しを繰り広げる。
秋田犬のハチ公は1923年11月に生まれた。東京帝国大学(現・東京大学)農学部教授の上野英三郎博士に育てられ、上野博士の出勤時に渋谷駅まで送り迎えすることが日課だった。25年に上野博士が急逝した後も改札前で帰りを待ち続ける姿が報道され、全国に名が知れ渡った。
実行委は公式ホームページでプロジェクト概要やハチ公の生涯を紹介し、ツイッターでも情報発信している。プロジェクトの一環として、区内のイベントで特別プログラムを実施することも検討中だ。区の担当者は「若い世代にはハチ公のストーリーを知らない人も多い。生誕100年を契機に後世につないでいきたい」と意気込む。