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中国5県景況感、宿泊・飲食が大幅改善 日銀12月短観

日銀が13日発表した中国地方の12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で5だった。前回(9月)から8ポイント上昇した。改善は6月調査以来となる。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、飲食店や観光地への客足が回復したのが大きい。ただ原材料高やコロナの変異型「オミクロン型」への懸念がくすぶり、楽観はできない。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。調査対象は769社で全社が回答。全国の全産業DIは2と、前回から4ポイント上昇した。

全27業種のうち22業種でDIが改善した。特に顕著なのが宿泊・飲食サービスの回復だ。DIは64ポイント上昇の3。19年12月の調査以来、2年ぶりにプラス圏内となった。コロナの感染者数が減って行政からの休業要請などが解除され、飲食店やホテル、旅館の利用客が戻った。

中国地方有数の温泉街、玉造温泉(松江市)にある佳翠苑皆美(かすいえんみなみ)では「9月下旬から予約が増え、11月は19年の同時期と同じ水準まで戻ってきた」(担当者)。年末年始の予約も満室に近いという。

鳥取砂丘で観光施設「砂丘センター見晴らしの丘」を運営する鳥取砂丘大山観光(鳥取市)の若林英男常務総支配人は「10月中旬ごろから土日の観光客はコロナ前の8割弱ほどまで戻ってきた」と話す。11月上旬に松葉ガニが解禁されてからは、大型バスの団体旅行も時折みられるようになっている。

客足の復調を歓迎する声が多いなか、感染再拡大への警戒も続く。宿泊・飲食サービスの先行きDIは3ポイント上昇の6と、小幅の改善にとどまる。佳翠苑皆美の担当者は「オミクロン型が心配。感染が落ち着いた状況が続いてくれれば」と話す。

製造業のDIは5ポイント上昇の6だった。海外経済の回復を取り込み、素材産業の好況が続いている。化学は3ポイント上昇の50。日銀下関支店の蒲地久司支店長は「アジアを中心にプラスチックや医薬品、IT関連需要などが旺盛で高操業が続いている」と話す。

自動車のDIは前回から横ばいのマイナス28。半導体不足が長引いており、生産の足かせになっている。マツダの10月の国内生産台数は前年同月比で6割減だった。徐々に不足感は和らいでおり、11月には休日稼働を再開し、12月も休日稼働をする見込みだ。広島県内の部品メーカーの幹部も「最悪期は脱した」と安堵する。

三菱自動車は水島製作所(岡山県倉敷市)で軽自動車を生産するラインの稼働を11月から昼のみにしており、夜勤の再開時期は未定としている。衝突試験のデータが国の基準値を満たしていなかったため、今月3日からは軽自動車「eKスペース」と「eKクロススペース」、日産自動車向け「ルークス」の生産を止めている。現時点で生産の再開めどは分からないという。

今回の短観の調査期間は11月10日から12月10日で、「オミクロン型」出現の影響はほぼ反映されていない。それでも全産業の先行きDIは2ポイント悪化して3となる見込みだ。原材料高や「感染第6波」への警戒が根強いためだという。

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