広島の内海機械、生産時間の無駄を可視化 近大と

機械部品製造の内海機械(広島県府中市)は近畿大学工学部と共同で、製造工程での時間の無駄を可視化するシステムを開発した。加工機械の稼働状況のデータをもとに、人工知能(AI)により加工までの準備に必要以上の時間がかかっている時間帯を検出する。生産効率のアップにつながるという。
2021年8月から同学部の片岡隆之教授と共同研究を進めていた。内海機械はマシニングセンターや数値制御(NC)旋盤などの加工機械の稼働状況を把握するシステムは導入済み。ただ、これだけでは機械の状態が「稼働」か「停止」かしかわからない。
今回のシステムではこのデータをAIを使って分析し、時間帯を「非稼働」「加工のための段取り」「加工」の3種類に分類。段取りとは、加工を行う材料をセットしたり、加工のためのプログラムを打ったりしている段階だ。
今回のシステムではこの時間が必要以上にかかっている「段取りロス」の時間帯を検出できるようにした。現在はまだ延べ2週間ほどのデータを分析しただけだが、今後従来のシステムと統合し、工場の無駄な時間を常に検出できるようにすることを視野に入れる。
内海機械は発注漏れや急な設計変更で急きょ必要になった加工部品を最短3日で納入する「超短納期」を売り物にしている。無駄を省くことで受注量を増やしやすくなるとしている。