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チューナー内蔵の箏、調弦しやすく 金沢の北菱電興

Tech&Unique

簡単に調弦ができるようチューナーを内蔵した箏(こと)がある。ファクトリーオートメーション(FA)機器などを手掛ける北菱電興(金沢市)の「NEO-KOTO輝」だ。金沢市の箏の指導者が発案した製品を進化させ、2017年に開発したものだ。

チューナーのランプを見ながら調弦できる

長さは100センチと、180センチ程度ある一般的な箏よりコンパクトだ。チューナーのボタンの操作で、13ある弦のどれを調整し、どのような調子にするかを選ぶ。代表的な3つの調子に加え、さまざまな音楽に対応しやすいドレミにも調弦できる。

実際に弾いてみると、合っていると緑、高すぎたり低すぎたりすると赤のランプがそれぞれ点滅する。このランプをみながら、ペグを回して音を合わせる。一目で弦の番号が分かるように、カラー弦も使った。価格は9万1080円。年100ほど売れており、多くは小中学校の和楽器学習用だ。

同社がFAで培った制御技術を応用した。技術開発事業部理事の田井仁さんは「弾いた時の音の波形と、もともと持っている波形を比較し、ランプが付く構造になっている」と説明する。音が合っているかどうかを「見える化」したことが短時間での調弦を可能にした。

一般的な箏は弦を支える琴柱(ことじ)を動かして音を調整するが、慣れていないと難しい。北菱電興の営業担当者は「小学生は調弦だけで20分ぐらいかかるケースもある。NEO-KOTO輝は学校の先生の負担軽減にもつながる」とみる。

製品化のルーツは約20年前に遡る。金沢市で箏を教えていた麻井紅仁子さんがペグ付きの「NEO-KOTO」を開発した。「和楽器を普及させるには、調弦をさらに容易にしたい」という思いを知った同社の社員。チューナー内蔵の製品を発案し、開発につなげたという。

同社は1947年設立。FAシステムや住設・ビルシステム、電気・設備工事などを手掛ける。2020年11月期の売上高は約210億円。和楽器の製品化は全く経験のない分野だった。

田井さんは「音を解析して、製品に取り込んだのは初めてで、苦労した点」と明かす。制御技術を活用し、さまざまな課題を解決する実績ができたことで、今後の新たなビジネスにつなげる。

(石黒和宏)

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