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秋田でペット終活フェア 東北事業者、健康食や墓石提案

新型コロナウイルス禍で犬や猫などペットを飼い始める人が増えている。在宅勤務の生活スタイルが定着し自宅で過ごす時間が多くなり、癒やしを求めるケースも少なくない。「家族の一員」として存在感は高まっており、東北地方の事業者にも関連事業に商機を見いだす動きが広がってきた。

秋田県湯沢市で9日、犬や猫の飼い主を対象に「ペット終活フェア」が開かれた。獣医学や栄養管理の研究が進み、長生きするようになったペットの健康や終活に焦点を当てた催しだ。ペットを長年供養している誓願寺の栗山晃昇副住職が企画した。

栗山さんは「病気などでペットを失い、気落ちした飼い主さんから相談を受けることがある」と語る。「うちでは供養になるよう拝むことしかできないが、みなさんの心が安らぐように様々な事業者さんと一緒に役立つ情報を発信するハブになれればと考えた」

境内には地元の湯沢市をはじめ、宮城県気仙沼市、山形市のペット関連事業を手掛ける8事業者が集った。年を取ったペットの健康のための健康食品やエステ、墓石や仏具などを扱う事業者が出展した。

仏壇・墓石を扱う宝輪(湯沢市)はペット関連商品の販売を始めて約5年になる。柴田まい子代表によると、飼っていた犬を弔う墓石があるか問い合わせを受けたのがきっかけだった。「特にコロナ禍のこの3年ほどの間にこうしたケースが増えた」と振り返る。

花瓶やロウソク皿、供物皿などの仏具、職人が手彫りでつくった小型の墓石に使うプレートなど30種類ほどを販売する。柴田代表は「自宅で過ごす時間が増え、ペットに対する思い入れも強くなったようだ。ともに過ごした日々の思い出を大切にし、供養する人が多い」と話す。

写真館のフォト・スタジオ・ワタナベ(同)は飼い主とペットの写真撮影に加え、思い出とともに飾る写真フレームもセットで販売する。同館の渡部光哉さんは「みなさんと話していると、ペットは家族の一員として存在感がだんだん上がってきているのを感じる」と語った。

水産加工の石渡商店(気仙沼市)が立ち上げたブランド「umino pet」も健康食品を出展した。サメの肉や軟骨を使ったペット用のふりかけ、ジャーキーだ。気仙沼は国内でサメの水揚げ量の8割を占める。地域の基幹産業であるサメの加工で素材を余すことなく生かすため、ペット関連商品の商機を見いだそうと取り扱いを始めた。

矢野経済研究所(東京・中野)の調べによると、ペット関連市場は拡大傾向にある。2022年度は前年度に比べ2.1%増の1兆7542億円を見込む。コロナ禍で外出自粛が続きペットと過ごす時間が増えたことやコミュニケーションを取りたいとの思いから、ペットフードは高価格帯のプレミアム志向が強まっているという。

フェアは中小事業者の経営相談にあたる湯沢市ビジネス支援センター、山形市売上増進支援センター、気仙沼ビジネスサポートセンターの支援機関が連携協力し、実現した。

湯沢市ビジネス支援センターの藤田敬太センター長は「シニアペット向けの商品やサービスはまだ市場が確立していない分野」と指摘。「1事業者では限界がある。関連事業者が集まり、この分野を目に見える形で発信できたことに意義がある」と話す。今回は試験開催で、今後は方法や場所などを検討して定期開催する計画だ。

(磯貝守也)

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