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食品衛生情報を自動集約 機器製造のサムソンがシステム

工場で使う小型ボイラーや食品機器の製造を手掛けるサムソン(香川県観音寺市)は6月から、温度や稼働時間などの食品衛生情報を自動で集約するシステムの提供を始める。食品衛生法の改正に伴って、管理手法が来月から義務化されるのに対応する。機器を製造している強みを生かし、保守管理契約と組み合わせることで導入を促していく。

サムソンは、レトルト食品を製造する際に使われる調理殺菌装置などを生産している

サムソンは工場で使う小型ボイラーの大手で、食品機器製造を祖業とする。レトルト食品など容器に入った製品の調理・殺菌ができる装置や、加熱調理された食品を短時間で冷やすことができる真空冷却機などを生産している。

食品衛生法の改正に伴い、衛生管理手法についての国際基準「危険度分析による衛生管理(HACCP)」が2020年6月から義務化され、1年の猶予期間を経て21年6月から完全義務化される。保管や冷却、加熱などの生産工程を継続的に監視・記録する手法で、従来は最終製品の抜き取り検査を実施すれば良かった。原則、全ての食品事業者が対応する必要があることから、サムソンはHACCPに対応するためのシステム開発を進めてきた。

同社の食品機器に小型端末を取り付け、温度や加熱時間、冷却装置であればどれくらい冷やしたかなどのデータをクラウド上で集約し、自動で帳票化する。パソコンやスマートフォン、タブレットなど場所の制約を受けずに閲覧できる。記録は3年間保存され、手入力を省くことでミスをなくし、業務効率を改善することができる。

食品機器の保守管理契約と組み合わせて顧客に提供する。新型の調理殺菌装置や真空冷却機を販売する際に提案していく。HACCP対応を加えた保守管理契約は、1台あたり年間28万円からを想定している。初年は100台の販売を目標に掲げる。常務取締役の山本哲也氏は「機器を製造しているからこそ、メンテナンスもできるし改善提案もできる。この強みを生かしていきたい」と話す。

21年3月期の売上高は78億円で、そのうち4割ほどをボイラーが、15%ほどを食品機器事業が占める。サムソンは、燃料を燃やして得たエネルギーをどの程度の蒸発量につなげたかを示す値「ボイラー効率」で高い性能を示すボイラーを有する。しかし大幅な機能向上の余地は小さいことから、ボイラーは成熟市場だといえる。

食品機器事業はレトルト食品などの需要の伸びを背景に、今後の成長が見込めると見ている。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要が、追い風になる可能性もある。

これまで食品機器は構造が単純なものも多かったことから、保守管理契約を結ぶ割合はボイラーと比べて少なかった。HACCP対応を呼び水として、食品機器でも保守管理契約の割合を増やし、事業を拡大していきたい考えだ。(桜木浩己)

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