ビックカメラ、天然水工場完成 「製造小売りへ第1弾」

ビックカメラは7日、山梨県富士吉田市に建設していた天然水工場の竣工式を開いた。富士山の天然水を全国に宅配するウオーターサーバーサービスを2022年秋にも始める。木村一義社長は「水ビジネス参入は製造小売り(SPA)を目指す取り組みの第1弾になる」と語った。
子会社のビックライフソリューション(東京・豊島)が天然水の宅配事業を手掛ける。富士山麓の1万2600平方メートルの敷地に延べ床面積5000平方メートルの工場が完成。宅配用の9.5リットル入り水ボトルを当初は月間40万本余り生産する。生産能力は同80万本余りまで引き上げられるという。
宅配水サービスは全国のビックカメラやコジマの店舗で受け付ける。宅配水事業者としては後発だが「市場はまだまだ成長する余地がある」と木村社長。「顧客との接点がある小売店舗を生かして他社と差異化し、ビジネスを広げていきたい」と語った。

木村社長はビックカメラグループを小売業から、商品企画や製造も手掛けるSPAへと進化させようとしている。自ら工場を持つ宅配水ビジネスはSPA化の一環と位置づけている。