駅で国内初エビ養殖 JR東日本など福島・浪江の常磐線で

JR東日本水戸支社などは常磐線浪江駅(福島県浪江町)で、食用として広く流通するバナメイエビの養殖実験を始めた。同支社によると、鉄道駅での水産養殖は国内初。約3000尾を飼育し、順調にいけば夏ごろの出荷を見込む。

JR東日本系のベンチャーキャピタルが出資するARK(アーク、東京・渋谷)が開発した養殖設備を駅舎に併設した。自動車1台分の広さ(約10平方メートル)に置けるコンテナ型で、微生物で水を浄化し循環させるシステムを備える。電源や熱源に太陽光を活用する。

育てたエビは浪江町内の飲食店、首都圏の駅ナカ店などへの販売を計画する。浪江駅に停車する特急ひたちで貨客混載による輸送も検討する。
同支社などは事業開始場所として東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を目指す浪江町を選んだ。JR東は浪江駅以外の無人駅への設備設置も検討する。
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