サラヤ、北茨城に医療用消毒剤の新工場 23年春操業予定

洗剤やせっけんを製造するサラヤ(大阪市)は医療機関向け手指消毒剤の新工場を茨城県北茨城市に建設する。2023年3月から操業する予定。新型コロナウイルス禍を受け、東日本での供給拠点とする。県はサプライチェーン強化を目指す国の補助金に連動し、独自に補助を上乗せする制度の第1号対象に認定した。
新工場は洗剤や食品添加物、医薬部外品を製造する同市の関東工場内に設ける。概算事業費は約52億円。県は国の補助金に採択された事業のうち、先進性や必要性が高いと認めた事業に補助金を上乗せする「国内投資促進強化プロジェクト」に認定した。事業費の1割に当たる5億円程度を補助する見込みだ。

あわせて同社が新型コロナの感染拡大などの緊急時に、県内の医療機関に手指消毒剤やサージカルマスク、手袋の資材を優先供給する連携協定を結んだ。
新型コロナの感染が長引き、医療用資材の不足懸念が高まっている。サラヤは三重県に医療機関向け手指消毒剤の製造拠点を持ち、東日本でも拠点建設を検討してきた。県は同社が増産を計画しているとの情報を受け、補助制度を活用した誘致を進めてきた。
大井川和彦知事は「医療体制の安定に重要な役割を果たすとともに、県北地域に優良な雇用の場を提供いただける立地案件で喜ばしい」とコメント。サラヤの更家悠介社長は「茨城県内の医療体制の安定などに一層の貢献を図りたい」とコメントした。
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