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福井県おおい町の複合施設、7月開業 集客の仕掛け満載

福井県おおい町の複合商業施設「SEE SEA PARK」(シーシーパーク)が16日にオープンする。施設内にはアウトドアショップやカフェのほか、県外法人の支店、町内での起業前提のチャレンジショップなど計19事業者の入居が決まった。町内外をつなぐ交流拠点として、官民の関係者は単なる「ハコモノ」に終わらせまいと集客に知恵を絞る。

施設は延べ床面積約1万800平方メートルで、総工事費は約18億2300万円。町内での起業支援や交流人口拡大を図ろうと、おおい町とおおい町商工会が2017年から建設を計画してきた。

道の駅やホテル、ドラッグストアなどが集まる海沿いの「うみんぴあエリア」に位置する。おおい町は人口8千人ほどだが、同エリアには新型コロナウイルス禍前の多いときで年80万人が訪れていたといい、おおい町商工会の荒木和之会長は「さらに30万人が訪れる。それぐらいは十分に可能だ」とみている。

中塚寛町長も「今までなかった業種の方と町民が触れあって化学変化を誘発し、次世代の産業の核となる」と期待を寄せる。運営を受託したリライトおおい(福井県おおい町)の村松弘康共同代表は「町民からすると、県外客ばかりがにぎわうのは面白くない。訪れる方との接点をつくり、町民も楽しめるようにしたい」と意気込む。

集客の目玉はアウトドアショップ「THE GATE WAKASA」とカフェ「THREE TIMES COFFEE WAKASA」だ。どちらも福井市で営業しており、福井県南西部の嶺南地域は初進出となる。

「海のアウトドアのコンシェルジュになる。手つかずの自然など、町民が気づいていない町の魅力を提案したい」と話すのはTHE GATE WAKASAを運営するカンパネラ(福井県坂井市)の平岡和彦社長だ。座って話せるカウンターを用意し、嶺南各地の地元ガイドや体験ツアーにつなぐ。フォロワーが4万人を超えたインスタグラムなどでの発信力を生かし、京都や大阪からも客を呼び込む。

THREE TIMES COFFEE WAKASAを運営するピリケン(福井市)の中山浩成社長が企画するのは、地域の経営者らが子どもに食事代を支援する「つけじっとカード」。名前を記入した100枚つづりのチケットを3万円で購入し、名刺代わりに自由に配布できる。もらった子どもが店舗で提示すると、1000円程度のハンバーガーが無料になる。

中山社長は「誰かにごちそうしてもらったおいしい食事は思い出になる。カードの受け渡しを通じて、子どもが地域の知らない大人と話すきっかけになれば」と話す。現在、おおい町内の3人がカードを持っているといい「ぜひ探して出会ってほしい」(中山社長)。

町の商工観光課、観光協会、商工会もシーシーパークに集まり、村松共同代表は「現場の肌感覚で訪れた人のニーズを目の当たりにすることで、想像がつかないような連携のメリットが生まれてくる」と予想する。観光ツアーなど町内施設への誘導も企画する予定だというが、具体的には今後検討するという。

建設には町や商工会の予算のほか、国の防災拠点施設建設のための補助金や大飯原子力発電所1、2号機(福井県おおい町)の廃炉に伴う交付金などを活用した。ハード面の整備の仕組みは従来の「ハコモノ」と変わらないように見える。いかにソフト面を充実させ、町内外を交流させる仕掛けを用意できるかが成功の鍵となりそうだ。

(鈴木卓郎)

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