宮下・むつ市長、青森県知事選出馬を表明

青森県むつ市長の宮下宗一郎氏(43)は6日、6月に任期満了を迎える青森県知事選に出馬する意向を表明した。同日の定例記者会見で「市長を辞職し、退路を断って覚悟を示す」と語り、事実上の出馬宣言をした。月内に正式発表する。
宮下氏は、むつ市内の使用済み核燃料中間貯蔵施設の燃料に課税する「核燃料新税」に注力し、昨秋には総務相が同意している。同施設を巡り、2020年12月に電力各社で共同利用する構想が浮上した際には「むつ市は核のごみ捨て場ではない」と反発し、全国的に注目を集めた。同構想は宙に浮いたまま2年経過している。
使用済み核燃料再処理工場など原子力関連施設が集まる下北半島では、各施設の稼働の遅れが相次いでいる。むつ市、六ケ所村、大間町、東通村の4市町村が、国や事業者と立地自治体の将来像を協議する「共創会議」の設立を模索しており、宮下氏が主導的な立場で進めている。
宮下氏はむつ市出身。東北大学卒業後、03年に国土交通省に入省。前市長の父の死去に伴い14年の市長選に出馬して初当選し、現在3期目。
知事選への出馬表明は宮下氏が初めて。現職で5期目の三村申吾氏(66)は「今は熟考中」として態度を明確にしていない。