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高知のスーパー、食品ロス減へ 寄付つき商品を提案 

高知の地場スーパー、サンプラザ(高知県土佐市)は県内11店舗で食品ロス削減に向けて全国でも珍しい取り組みを始めた。消費期限の迫った商品を中心に、1点あたりの売り上げのうち1~2円を社会福祉団体に寄付する。同社が寄付金を負担する。食べ物を粗末にせずに社会貢献する姿を消費者に訴え、購買点数を増やしてもらうことで収益を確保する。

この事業は「寄付つき商品販売キャンペーン」といい、10月1日から11月14日まで行う。農林水産省から助成措置を受けた食品ロス削減の実証事業。農水省は取り組みの成果をみて、全国のスーパーなどに導入が可能かどうかを検討する。

事業の対象となる食品は1店舗あたり150アイテムほど。店は売り場に「寄付つき商品」と銘打った店頭販促(POP)広告を表示。150アイテムのうち、50は比較的長持ちする調味料や飲料で、商品1点につき1円の寄付金となる。

残る100アイテムは生鮮品や弁当だ。その中で、消費期限が迫り「1割引」「2割引」といった値引きシールが貼られた商品については、消費者に購買を促すため寄付額を1円上乗せして2円とする。これらの1~2円の寄付は基本的にはサンプラザが負担する。生鮮品や弁当は既に値引きしており、サンプラザにとって利幅は薄く、寄付分はさらに持ち出しとなるが「1日に1店舗あたり最大10キロほど発生する食品廃棄の削減につながれば」(販売部)としている。

食品スーパー業界は価格競争が厳しく粗利益の確保に腐心する。同社販売部も「1~2円の負担は収益を低下させる」と話す。ただ、食品ロス削減という社会的課題に取り組む企業姿勢を消費者にアピールすることで「環境問題に関心のある買い物客の購買点数や来店客数の増加による増収効果で粗利益を確保する」(同)考えだ。

サンプラザは事業期間中、長年取引があり信頼関係のある納入業者の一部に納品価格の1~2円引き下げの協力を依頼することも検討する。食品ロスを減らすための取り組みに賛同してくれ、寄付額に相当する価格下げの打診に応じてくれた場合には、その事業者の商品の納品数量を増やしたり、新聞折り込みのチラシに掲載したりする。社会貢献になればと取引に応じる納品事業者は少なくないという。

総額45万~50万円の寄付金を目指す。事業終了後、生活に困窮する人に食料支援したり、子ども食堂を運営したりする高知の民間3団体の活動資金として3等分して寄付する。

事業開始の1日午前、高知市内の店舗では従業員や寄付先の団体らが買い物客に取り組みを紹介。足を止めた中高年の客が「意義のある活動ですね」と笑顔で値引きシールの付いた総菜を買い求めていた。

寄付先団体の一つ、一般社団法人高知あいあいネット・フードバンク高知(高知市)の幹部は「活動の励みになる。職員の日々の買い物でも利用を促していきたい」と話しており、地域をあげた食品ロス削減の取り組みの輪ができはじめている。

(保田井建)

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