奥山氏ら3人そろい踏み 山形・南陽の温泉リゾート再生

工業デザイナーの奥山清行氏、建築家の隈研吾氏、イタリア料理店シェフの奥田政行氏の3人が山形県南陽市に一堂に会し、同市の温泉リゾート再生を目指すプロジェクトの発表会が開かれた。デザイン・建築・食の分野で著名な3氏が組み、旧ハイジアパーク南陽を活用し、新施設「四季南陽」を整備する。8月着工、2023年9月開業を目指す。
新施設の設計は隈氏が手掛けた。木造2階建てで、全30室に露天風呂や半露天風呂を備える。一部の部屋にはサウナも付く。隈氏は「目の前に沢があり、横のブドウ畑はイタリアを連想させる。建物と場所の関係性で勝負できる珍しい場所。気持ちが乗って設計できた」などと語った。
食を担当する奥田氏は「すしをオイルで食べるオイルずしはワインに合う。発酵料理も試作している」などとPR。事業全体をプロデュースする奥山氏は「建築、料理、デザインなど総合的な力で南陽を世界ブランドにする。建物を建てて終わりではなく、運営し、収益を上げ、しっかりした施設として生かしていく」と意気込んだ。
旧ハイジアパーク南陽は経営が悪化し、21年3月に営業を終えた。発表会に同席した白岩孝夫市長は「各分野で日本を代表する3人が南陽にそろい驚いている。千載一遇の好機として、市も連携していきたい」と話した。