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静岡の新茶初取引、3年ぶり最高値更新 1㌔196万円

(更新)
訂正2022年4月18日9時43分公開の「静岡の新茶初取引、3年ぶり最高値更新 1㌔196万円」の記事中、「静岡茶市場の内田行俊社長」とあったのは「静岡茶市場の内野泰秀社長」、「内田社長」とあったのは「内野社長」の誤りでした。

静岡の新茶シーズンの到来を告げる静岡茶市場(静岡市)の新茶初取引が18日、始まった。今年の最高値は1キログラム196万8000円で、2019年に記録した139万円を超え史上最高値を更新。初取引日直前の雨の影響で取引量は昨年の半分ほどだったが、晴天が多く霜に当たらなかったため茶の品質は良好で、5月上旬のピークに向けて取引が活発化しそうだ。

午前7時過ぎ、新茶の初取引が始まると静岡茶市場内には取引成立を表す手拍子が打たれた。売り手と買い手がそろばんを片手に価格交渉を始め、次々と商談の成立を告げる軽快な手締めの音が鳴り響いた。

今年は富士伊豆農業協同組合(静岡県沼津市)が富士宮市で手摘み・手もみをした新茶を196万8000円で提示。富士宮富士山製茶合同会社(静岡県富士宮市)が買い付けた。同社の土井貴さんは「今年のお茶は香りも強く、過去5~6年で一番できがいい」と顔をほころばせた。

196万8000円は、108歳の茶寿を表す108万円に、県東部の8つのJAが合併し、富士伊豆農業協同組合としてスタートを切ったことの記念と「羽ばたいていってほしい」という思い、そして茶摘みの最適期「八十八夜」を合わせた88万8000円を足した値段。19年に記録した1キロ139万円を超えた。

また、初取引では初めて日本産の茶葉を使った「和紅茶」が出品され話題を集め、行き交う業者の中からも「珍しい」などの驚きの声が聞かれた。静岡茶市場の内野泰秀社長は「様々な種類の茶が出ることは市場にとって良いこと」と話す。

初取引の県産茶の取引量は前年の半分ほどの約1732キロで、平均単価は5027円(ともに速報値)。内野社長は「直前の雨の影響で初取引に出てくる量は減ったが、今年はいつになく香りと味が良く高値で取引されるものもあった。今後もっと良い茶がたくさん出てくれば市場も活発になるのでは」と期待する。

初取引は市場開所の翌年にあたる1957年から毎年開催してきた。20年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため初めて中止した。21年に続いて今年も仲買人らは葉の柔らかさや重さを確かめる際にはビニール手袋を着用するなどの感染防止対策をとり、新茶の手もみの実演や餅まきなど一部のイベントは見送られた。

高品質、高価格で生き残りかける若手農家


静岡県の茶産業は長らく日本一の生産量を誇ってきたが、生産量は5万トン超を生産していた1970年代後半をピークに減少している。機械化しやすく生産性の高い平地での栽培で鹿児島県は65年には全国の5%(3811トン)だった荒茶の生産量が5年ほど前から3割を超え、県内の茶園は高齢化などの問題も抱える。手摘みによる高品質、高単価の茶作りなど、各茶園が生き残り策を探る。
初取引前の10日、静岡市内にある茶畑「松川茶園」で、鮮やかなもえぎ色の新芽を摘む人々の姿があった。茶農家やボランティア約40人が、談笑しながら素早い手つきで新芽を摘んでいく。プツッ、プツッと茎の折れる乾いた音が小気味よいリズムを奏でる。
摘み終えた茶葉は工場に運ばれ、「蒸し」と「もみ」による荒茶(あらちゃ)工程に。100キログラムほどの生の茶の葉が20キログラムほどになるという。
同農園で栽培される「近藤早生(わせ)」は花のような香りがする珍しい品種で、百貨店などに卸される。同茶園の松川洋平氏(42)によると、今年は2月が寒かったため新芽の出始めが遅れ、芽が霜に当たらなかったという。同氏は「こんなに当たらなかった年はなく、最近数年間で最も高い品質。多くの人に味わってほしい」と話す。
同茶園が手摘みを行うのは、機械では摘めない新芽だけを収穫することで濃厚な新茶の香りを味わえるから。松川氏は県内茶農家では若手で、高品質、高価格帯の品種の生産で生き残りをかける。

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