スター精密、ICカード端末のSSTを買収 DX事業加速

スター精密は5日、ICカードリーダー端末のスマート・ソリューション・テクノロジー(SST、東京・新宿)を4月6日付で子会社化すると発表した。株式取得額は非公表。SSTは音で通信する技術を持ち、飲食店のポイント付与など向けに提供。スター精密は同技術を小型プリンターなどと組み合わせ、顧客へのデジタルトランスフォーメーション(DX)の提案に活用する。
SSTは人には聞き取れない音波を使って専用機器やスマートフォンなどの端末間でデータをやりとりする音通信システムに強みを持つ。来店時のポイント付与や大学の出欠確認などで活用しているという。スター精密は小型プリンターを手がける特機事業に同社を組み入れ、飲食店や小売店に向けたデジタル化商材を拡充する。
SSTは2012年設立のスタートアップで22年3月期の売上高は8億9000万円、純利益は5400万円だった。スター精密は24年12月期までの中期経営計画でDXによる既存事業拡大や新規事業創出を掲げており、SSTの子会社化を通じて関連の技術開発力を高める。