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中国5県の設備投資、製造業27%増 マツダ新型車が支え

日本政策投資銀行が5日発表した企業の設備投資計画調査によると、中国5県の2021年度の設備投資額は前年度実績比8%増の5806億円となる見込みだ。新型コロナウイルス禍による落ち込みから回復し、2年ぶりのプラスとなる。マツダや部品メーカーが新型車投入の準備を進めるなど、海外需要の回復を背景に製造業がけん引する。

投資額は企業の本社所在地ではなく、「属地主義」で集計。東京に本社を置く企業が中国地方の拠点に投資するケースもカウントした。調査期間は5~6月で、中国地方への設備投資を回答したのは792社あった。

21年度の計画額はコロナの影響が深刻になる前の19年度の実績(5645億円)を上回る。コロナによる業績悪化で20年度に予定していた投資を先送りした企業も多く、今年度の計画額を押し上げた。

マツダの防府工場(山口県防府市)

特に回復が力強いのが製造業で、27%増の4259億円を計画する。米中などへの輸出が回復しており、投資意欲が戻ってきた。伸びをけん引するのがマツダだ。同社は23年3月期に「ラージ」と呼ばれる大型の新車を発売予定。生産に向け、防府工場(山口県防府市)のラインを改造する。

藤本哲也常務執行役員は「22年3月期は投資のピークになる」と話し、設備投資額は67%増の1550億円を見込む。半導体不足によって現状、生産が制限されているが、あくまで需要は底堅いことから攻めの姿勢を保つ。

ラージは現行車に比べて車体やエンジンが大きくなるほか、プラグインハイブリッド車(PHV)なども用意する。そのため多くの部品メーカーが新たな金型や機械を購入して備えるなど、投資が波及している。

岡山では電気自動車(EV)の生産に備えた投資も活発だ。三菱自動車は22年に発売する軽のEVを生産するため、水島製作所(岡山県倉敷市)のラインを増築。20年8月から22年3月までに約80億円を投じる。

自動車の電動化対応は素材産業にも波及。JFEスチールは西日本製鉄所倉敷地区(同)で4月からEV向けの高性能鋼板の生産設備を増強。約490億円を投じ、24年7月までに生産能力を従来の2倍に高めるという。

山口県では化学産業の投資が盛んだ。東ソーは22年3月期の設備投資額410億円のうち、200億円以上を主力の南陽事業所(山口県周南市)に充てる。国内最大手の臭素や医療用手袋に使うクロロプレンゴムの生産設備を増強する。

一方、非製造業はコロナの影響が長引く業種が多く、投資意欲は弱含んだままだ。合計の計画額は23%減の1548億円。インバウンドの観光需要がほぼ消滅し、ホテルなどの新設が減った。

非製造業の落ち込み幅は他の地域よりも目立つが、発電施設など前年度に電力業界で大きな投資があった反動もある。

政投銀の調査では22年度の設備投資計画も尋ねたが、業績の動向などが読めず、未回答の会社も多かったという。製造業の力強さが続くなか、非製造業の投資マインドの回復時期はコロナの収束やワクチン接種の進展に左右されそうだ。

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