東邦銀行コンサル子会社が始動 地域内で事業承継促進
東邦銀行傘下のコンサルティング会社が4日、営業を始めた。地盤とする福島県内では後継者不足などによる中小企業の休廃業が相次ぐ。同日記者会見した同行の佐藤稔頭取は「地域の中で事業承継されていくことが大事だ」と話し、地元企業同士のマッチングやM&A(合併・買収)などの支援を強化する考えを示した。

完全子会社の東邦コンサルティングパートナーズ(福島市)は、銀行本体で受けた相談に現場で対処する実行部隊との位置付けだ。矢吹光一社長を含む7人体制で事業承継支援から始め、経営計画や人事制度の策定支援、自治体のデジタル化支援などに業務を広げる。
銀行本体からコンサル業務を切り出し、顧客企業の経営課題の迅速な解決につなげる。別会社を設けることで、コンサル業務への顧客の認知度を高める狙いもある。東京などのコンサル会社と比べた強みについて、佐藤頭取は「地域の実情については我々が一番情報を持っている」と述べた。
東邦銀はこれまで、事業承継で年約400件、M&Aで同約200件の相談を受けてきた。新会社設立後はこれらを上回る件数を目標とする。矢吹社長は「事業承継が終わったら企業との関係が切れるわけではない。その先のファイナンスなど様々な形で支援を続ける」と強調した。
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