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静岡ガス・静岡大、脱炭素技術を共同研究 メタン化など

静岡ガスと静岡大学は4日、脱炭素社会の実現に向けた新技術を共同研究すると発表した。静岡ガスは研究資金の一部を静岡大に提供するほか、地域での実証実験に協力してくれる取引先企業を募って仲介する。地域で排出された二酸化炭素(CO2)を使って、都市ガスの主成分であるメタンガスを合成する技術などを2030年までに実用化することを目指す。

両者は4日、静岡大学カーボンリサイクル技術研究所所長の福原長寿教授が進める新技術の研究を静岡ガスが支援する契約を締結した。

福原教授は触媒研究の専門家だ。独自開発したハニカム(蜂の巣)構造の触媒を用いて、CO2のほか酸素などが含まれた排出ガスに熱を加えることなく迅速にメタン化する技術に強みがある。この技術を用いて発電所や工場などが排出したCO2からメタンを合成する。また、CO2から炭素を回収・固定化してタイヤなど産業用素材に利用することを検討する。

水素とCO2で合成メタンを作り出す技術は「メタネーション」と呼ばれる。合成メタンで作った都市ガスを燃焼した場合、CO2の排出量を実質的にゼロにできる。基本技術は確立されており、製造コストの低減や大規模な生産設備の構築など実用化に向けた技術開発が期待されている。

静岡ガスは研究資金の一部を提供するほか、CO2から効率的にメタンを合成する触媒システムを開発するため、排出ガスの試験装置を設置してくれる工場や拠点を静岡ガスの取引先企業の中から募集する予定だ。

静岡ガスは8月に発表した「2050年カーボンニュートラルビジョン」で、30年時点でグループ全体で想定される温暖化ガス排出量を半減する目標を掲げた。静岡大の研究を支援するのもその一環だ。今回の静岡大との産学連携を通じ「研究所を持たない当社が顧客企業の(脱炭素化に向けた)課題を解決できる」(幹部)と判断した。

日本ガス協会は6月、脱炭素社会の実現に寄与するための「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定した。30年度に温暖化ガス排出量を13年度比で46%削減する日本政府の目標を達成するため化石燃料から天然ガスへの燃料転換を推進するほか、メタネーションの実用化に向けた取り組みなどを盛り込んでいる。

都市ガス会社が大学と共同研究する事例としては、名古屋大学教授らが進める大気中のCO2の回収技術の研究に東邦ガスなどが共同で取り組むケースがある。各社にとって脱炭素化は企業の将来を左右するため、大学など研究機関と連携する動きが広がりそうだ。

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