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高校でAI出張講座 金沢工大や北陸先端大

北陸の大学など高等教育機関が、高校生を対象に人工知能(AI)やデータサイエンスの出張講座を広げている。地域貢献の一環で、文化系の生徒を含めて、AIが身近にあることや楽しさを伝える。地元の大学に関心を持ってもらう狙いもある。

パソコンを使って機械学習を体験した(石川県能美市の寺井高校)

石川県能美市にある県立寺井高校で6月、AI技術を体験する「データサイエンス基礎講座」があった。企画したのは、金沢工業大学と系列の国際高等専門学校の有志でつくるサイエンス・コミュニケーションプロジェクトだ。

約20人の生徒たちは、パソコンを使った機械学習を体験した。ホワイトボードに数字などを書き、ウェブカメラで学習させる内容だ。ある生徒は「数字や文字を学習させたが、絵にも応用できると思った。絵のモチーフを季節に分類したり、作者も分類したりできる」と満足した様子だ。

金沢工業大の竹俣一也教授らはキャンパスに近い寺井高校の協力を得て、この講座が実現した。講座後の生徒アンケートで、受講前はほぼ半数がAIに興味がなかったが、受講後は約95%が「身近になった」と回答したという。

全国の大学でAI分野の授業が増えているが、竹俣教授は「文系理系の垣根なしで取り組む分野」と指摘する。寺井高校の講座では文化系の生徒もいる美術部を対象にした。今後も地域の中高生を対象に、パソコン演習を含む講座を進める考えだ。

石川県内の高等教育機関でつくる大学コンソーシアム石川は、主に北陸3県の高校を対象にさまざまな分野の出張授業に取り組んでいる。情報分野の教員がいる大学ではAI分野の講座を開いた実績がある。

例えば北陸先端科学技術大学院大学の「強いだけじゃない 楽しませるゲームAI」。ゲーム情報学が専門の池田心教授が担当し、これまで富山、石川の計3校で講義した。研究テーマでもある「指導碁」のAIなどを紹介した。

リアルの指導碁はプロなどに指導料を払った上で対局する。コンピューター対局の場合、強すぎると指導される子どもたちは興味を失いかねない。軽微な悪手でシーソーゲームを演出し、楽しさを演出するような「温かいAI」が必要であることを説明したという。

池田教授は「AIが楽しいものであることを伝えたい。将来、研究者になってくれる人が出てきたらうれしい」と話す。北陸先端大は21年度、このテーマの講座を予定はしてないが、金沢大学や公立小松大学などがAIに関連した講座を計画する。

22年度からの新学習指導要領で、高校生が情報技術と触れる機会が増える。工業科では、AIやあらゆるモノがネットにつながるIoTの基礎を学ぶ。石川県教育委員会は21年度、担当教員を対象にした研修と教材作成を予定している。今後、大学の専門家も高校での活躍の場が広がりそうだ。

(石黒和宏)

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