サンリオ、教育事業進出 絵本やDVDの英語教材販売
サンリオは教育事業に参入する。第1弾として0〜8歳向けの英語教材を発売した。表情豊かな独自のキャラクターや踊りの要素などを盛り込み、英語能力のみでなくコミュニケーションや判断力といった知育も狙う。これまで子供向けにはキャラのぬいぐるみなど物販やキャラの使用権を他社に貸し出すライセンス事業が主で、教育事業を新たな収益源にするほか、親子の接点を増やし、新たな商機の開拓を目指す。

商品名は「サンリオ・イングリッシュ・マスター」。2月に先行予約を受け付けており、3月末に発売した。絵本25冊やぬいぐるみ5体、英語が書かれた積み木や踊りながら学べるDVDなどがセットになっている。学習に飽きないよう、英語アニメの室内用プロジェクターといった商品も同封する。
価格は約33万円で、サンリオの公式販売サイトから購入できる。対象年齢が幅広く、「いつ始めても効果的に学習できるように設計している」(担当者)。保護者が英語を話せなくても一緒に楽しむことで子供の英語能力は伸びるといい、最終的には英語の日常会話や自分の意見を言えるレベルを目指す。
出版社にライセンスを供与して他社の参考書にキャラが載ることはあるが、サンリオが自社で教育事業を展開するのは初。英語教育や出版関係者に加えて、乳幼児の発達・認知に関する識者も開発に加わった。文字のみでなく、音や映像、体の動きまで取り入れることで知的好奇心なども育てるという。
発音と文字(スペル)の規則を学ぶ「フォニックス」という学習技術を取り入れた。小学校で英語の課程が始まる3年生より前に学ぶことで授業の理解も促せるほか、ネーティブに近い自然な発話ができるという。
開発者の1人である東京大学大学院の開一夫教授は「大人だけで作る教科書は大人目線になっている場合が多い。発売する商品では大人と子供で視線を向ける先が違う点や、子供同士でも好みが違うことを意識した」と語る。同教科書の独自キャラクター「エディ」や「ピタ」も幼児の目線の動きを計測した実験を参考に生み出した。
サンリオが3月上旬、0〜8歳の子供を持つ保護者600人にアンケートを取ったところ、希望する学習・習い事で1位は英語だった。一方、実際に学んでいると答えたのは23%にとどまる。同社の中塚亘常務は「英語のニーズは高く、今回成功すれば横にも縦にも展開できる」と話す。
教育への関心が高まるアジア圏でも同様に展開できるほか、金融やプログラミングなど英語以外の分野も開拓余地が生まれる。サンリオピューロランド(東京都多摩市)では英語を生かしたアトラクションの導入を検討しており具体的な内容を詰めている。
同社の主な事業収益は物販とライセンス供与、海外事業、テーマパーク運営の4つ。教育事業は成長をけん引する新規事業の一つに位置づけている。教育を軸にすることで子供時代からサンリオとの接点が増えるほか、客単価の向上にもつながる。まずは英語教材での参入を皮切りに、2026年度までに事業売上高100億円を目指す考え。(静岡支局 佐伯太朗)
- 【関連記事】サンリオ、増収増益

ビジネスの最新動向やDXやSDGsへの取り組み、スタートアップ企業の動向などを特集。ビジネス専門紙「日経産業新聞」のコンテンツをまとめてお読みいただけます。
関連企業・業界













