NTT西日本、福井県でオーベルジュ 地元企業11社が出資

NTT西日本は3日、福井県坂井市でオーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)事業を展開すると発表した。福井県の金融機関やメーカーなど11社で共同出資し、観光によるまちづくりを進める新会社を設立した。NTT西はICT(情報通信技術)を活用し、管轄する全30府県で地元企業などと連携した地域活性化事業を進めようとしてきた。今回もその一環として、観光分野での新規事業を展開する。

福井県ゆかりの金融機関やメーカーなど計11社が計9億9000万円を出資し、新会社「Actibaseふくい」(福井県坂井市)を設立した。NTT西が62%を出資する最大株主となる。オーベルジュのほか、地域住民らと連携した体験型の観光プランも今後検討。街並みのライトアップなど景観づくりにも取り組む。
北前船の寄港地として栄えた三国湊に点在する古民家をリノベーションし、10棟18室のホテルと、レストラン1棟を運営する。総事業費は12億円で、2024年1月の開業を目指す。レストランにはフランス料理の著名なシェフ、吉野建氏を招き、福井県産食材を使ったメニューを提供する。1泊5万円程度とし、年1万人程度の宿泊を見込む。
同日、福井市内で会見したNTT西の森林正彰社長は「地域活性化の取り組みは私たちだけでは力が及ばず、企業や金融機関、大学といった地域パートナーの持つノウハウの活用が必要だ」と連携の意義を説明。「長期にわたって自立可能な地域の循環モデルをつくっていく」と話した。今後、NTT西が提供している「観光流通プラットフォーム」とも連携し、インバウンド(訪日外国人)需要の取り込みも図る。