福井大学など超小型衛星の実証開始 多数のミッション

福井大学と人工衛星開発・運用のアークエッジ・スペース(東京・江東)は3日、福井県内外の企業などと共同開発した超小型衛星が1月に宇宙空間へ放出され、通信や画像撮影など全機器が正常に作動することを確認したと発表した。今後1年程度かけ5つのミッションを実証実験する。量産化による宇宙ビジネス展開へ一歩前進した。
超小型衛星「OPTIMAL-1」は縦横10センチメートル、高さ34センチの「キューブサット」。多数の機器とそれを制御するコンピューター、汎用的な電源・通信機能を備える。複数ユーザーがシェアでき、1機関当たりのコストを抑えられるのが特徴だ。22年11月に米で打ち上げ、1月6日に国際宇宙ステーションから若田光一宇宙飛行士がセットして宇宙へ放出された。

今後実証するミッションは①搭載した2台のカメラによる広域地球観測・簡易分光観測②データの蓄積・中継③超小型の水推進機④軌道上でデータを高度処理するエッジコンピューティング技術⑤光モジュール――の5つ。同衛星が大気圏に再突入する約1年後まで実施する。
3日に開いた記者会見にオンライン参加したアークエッジ社の福代孝良代表は「高性能で様々なミッションに対応できる柔軟性が強み。国内産業界と安定生産できるのも大きい。世界と戦っていきたい」と話した。