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高松の黒松盆栽、EU輸出解禁で事前予約 商談始まる

高松市特産の黒松盆栽が欧州連合(EU)にも輸出できるようになったことを受け、盆栽を売り込む動きが出始めている。オランダやスペインの輸入販売業者と産地をつなぐオンライン商談会が開催され、輸出が本格化する2023年を見据えて予約販売が進む。農家の高齢化が深刻になる中で、産地再興に向けた期待感が高まっている。

黒松は20年10月にEUへの輸出が解禁され、2年の栽培管理期間を経た23年から実際に出荷量が増えると見込まれている。2、3日に開いた商談会にはオランダで盆栽を輸入販売する「ロダー ボンサイ」と、スペインの「ミストラル ボンサイ」が参加し、高松の5生産者は各農園から映像配信して交渉。かがわ県産品振興機構と日本貿易振興機構(ジェトロ)香川貿易情報センターがサポートした。

高松市内の鬼無地区と国分寺地区は松盆栽の産地として名高く、市の全国シェアは約8割に上る。国分寺地区にある平松春松園の平松浩二氏は購買担当者と面識があり、比較的大ぶりな盆栽の販売につながった。

海外のバイヤーは新型コロナウイルスの影響で来日することができない状況が続いていたため、オンラインでの商談会を開催することとなった。予約販売された盆栽は輸出の時期まで保管され、他の生産者と共通のコンテナに積んで運ばれる。

バイヤーは小ぶりな盆栽に言及する機会が多かった。「ロダー ボンサイ」のゲリット・ロダー最高経営責任者(CEO)は「消費者に販売しやすい価格であることは重要なので、小さなサイズのものがあれば好ましい」と話す。

平松春松園では50本ほどをEU向けとして既に登録している。また輸出解禁となる以前から、EUと管理条件が同じトルコ向けに黒松盆栽を準備していたため、すでに一部をEU向けに転用し、オランダに輸出したこともあるという。「お互いに移動できない状況が続いている。SNS(交流サイト)で写真を送るなどしてやりとりしている」(平松氏)

香川から海外に輸出される盆栽の多くは神戸植物防疫所の坂出支所(香川県坂出市)で検疫を受ける。新型コロナの影響を受ける前の19年に出荷された盆栽1万2796本のうち8割ほどが台湾向けで、ドイツ向けは約300本だった。

県の調査によると県内の盆栽出荷額は09年の2億8700万円から20年には3割減少、農家戸数も34戸減の196戸となった。国内市場が縮小する中でEU向けの輸出が活発化すれば、生産量の拡大にもつながると期待されている。(桜木浩己)

黒松のEU輸出解禁 樹皮が黒色を帯びる黒松は、20年10月からEUへの輸出が解禁となった。黒松には松を枯れさせるマツノザイセンチュウや葉さび病が付きやすいため、以前は輸出が禁止されていた。植物防疫所に登録された場所で2年間、栽培管理することなどが条件になっている。

植物防疫所が少なくとも年6回検査する。病害虫が付着するのを防ぐため、高さ50センチメートル以上の棚の上で栽培することも求められる。香川県が盆栽農家を対象に実施した16年のアンケート調査によると、県内生産の6割を黒松が占めるという。残りの大半を占める五葉松は病害虫が付きにくいため、1983年から欧州への輸出が認められている。

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