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フィデアHDと東北銀行、経営統合へ 「目指す姿一致」

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記者会見後に握手する東北銀の村上頭取(左)とフィデアHDの田尾社長(2日、盛岡市)

荘内銀行(山形県鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD)と東北銀行は2日、2022年10月の経営統合に向けて協議することで基本合意したと発表した。低金利や人口減少を受けて地方銀行の経営環境は厳しい。両社は本部機能の統合などにより収益力を高める。生き残りを目指した地銀の再編が加速している。

フィデアHDと東北銀は同日、基本合意書を締結した。両社は統合準備委員会を設置して協議する。フィデアHDが株式交換を通じて東北銀を完全子会社とする予定。東北銀は22年9月29日に上場廃止となる見通しだ。統合後の貸出金残高は21年3月末時点の単純合計で約2兆3600億円となる。

統合後は重複している本部機能の統合や事務の共通化などに取り組む。フィデアHDと東北銀の店舗網は岩手、秋田、山形各県を中心に150店近くある。広域なネットワークを活用して営業力の強化にもつなげる。両社は18年2月に包括的業務提携を結んだ。東京都内の支店を共同運営しているほか、ATMの手数料を相互に無料とするなど協力してきた。

東北銀の村上尚登頭取は2日午前に開いた記者会見で、経営環境が厳しさを増すなかでフィデアHDと交流を進めてきたことを説明。「本業利益を拡大させていくには、提携から一歩踏み込んで合流する必要があると判断した」と述べた。フィデアHDの田尾祐一社長は「地域金融機関として目指す姿が一致している点が、基本合意した最大の理由」と語った。

21年に入って地銀の再編が相次いでいる。福井県では福井銀行が5月、福邦銀行を10月1日付で子会社化すると発表した。青森県でライバル関係にあった青森銀行みちのく銀行も5月、22年4月に共同持ち株会社を設立し、24年4月の合併を目指す方針を公表している。

背景には政府の支援策の拡充がある。20年11月に同一県内の地銀の再編を独占禁止法の適用除外とする特例法が施行。21年5月には改正金融機能強化法が成立し、合併・統合にかかる初期費用を交付金で支援する制度が整った。日銀も再編行の当座預金に上乗せ金利をつける制度を始めた。

政府から注入された公的資金が再編の呼び水になっている側面もある。東北銀には東日本大震災を受けて12年に100億円が注入された。福邦銀、みちのく銀は公的資金の返済期限が24年に迫っていた。東北銀の期限は37年と時間があるものの、厳しい経営環境は共通している。

2日の東京株式市場では東北銀の株価が急伸し、一時前日比14.7%高の1153円と約3カ月ぶりの高値をつけた。フィデアHDとの統合で経営基盤の強化を期待した買いが入った。フィデアHD株も同9%高まで買われる場面があった。

▼フィデアホールディングス 2009年に山形県の荘内銀行と秋田県の北都銀行が経営統合して発足した。仙台市に本社を置く。21年3月末時点の連結ベースの従業員数は1662人、貸出金残高は1兆7312億円。
▼東北銀行 1950年設立の地方銀行。岩手県を地盤とし、盛岡市に本店を置く。21年3月末時点の連結ベースの従業員数は597人、貸出金残高は6293億円。

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