福島・大熊町、戸建て住宅で移住体験 原発事故で人口減

東京電力福島第1原発事故で一時全町民が避難した福島県大熊町は、移住希望者を対象に、戸建て住宅の貸し出しを始めた。最長で1週間、水道や光熱費を含めて無料で利用できる。町での暮らしを体験する「お試し移住」の機会を設け、原発事故で激減した居住人口の回復につなげる。
町が2005年築の2階建て民家を借り、改装した上で提供。間取りは5LDKで、テレビや冷蔵庫などの家電を備える。買い物や農業体験など、利用者の希望に応じた移住体験プログラムへの参加を要件にする。

住宅近くには、町が設けたインキュベーション施設がある。JR大野駅まで徒歩約20分、コミュニティーバスの停留所は同約5分。
改装や運営にかかる22年度の経費は約1000万円。大半は国の福島再生加速化交付金で賄う。町の1月1日時点の居住者は住民票のない人を含めて950人。原発事故前は約1万1500人が暮らしていた。27年の目標人口は4000人。
東日本大震災から12年となった被災地。インフラ整備や原発、防災、そして地域に生きる人々の現在とこれからをテーマにした記事をお届けします。
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