しずおかFG、人材会社を子会社化 規制緩和で事業拡大 - 日本経済新聞
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しずおかFG、人材会社を子会社化 規制緩和で事業拡大

しずおかフィナンシャルグループ(FG)は1日、人材派遣やソフトウエア開発のティージェイエス(静岡市)を完全子会社化した。デジタルトランスフォーメーション(DX)や生産性向上に必要な人材を企業などに派遣し地域貢献にもつなげる。グループ会社の自立性や専門性を高める2022年10月の持ち株会社化後、改正銀行法の規制緩和を生かした事業拡大の第1弾となる。

買収金額は非公表としている。同日、静岡市内で記者会見したしずおかFGの山本規政・経営企画部長は「地域で大きい人材、IT(情報技術)化の問題にグループとして対応していく方針の下、その一助となるため完全子会社化した」と述べた。「既存の同業との競合は考えておらず補完、連携しすみ分けてやっていく」とも強調した。

ティージェイエスは1979年設立で資本金は1200万円。従業員数は約380人で、人材派遣事業は5000人規模の登録スタッフが在籍する。22年3月期の売上高は20億円。子会社化後も野田典代会長ら経営陣はそのままとする。非連結決算とし、グループでは静岡銀行などと並列関係の子会社にした。

静岡銀行はティージェイエスのメインバンクで、同行の勘定系システムなどを巡り、長年関係を築いてきた。地域では中小企業を含む幅広い業種でIT、システムに明るい人材が不足しており、業績が安定し地域に根ざした取引先を持つティージェイエスの知見やノウハウを生かすという。同時に、同社の事業承継の課題も解決する。

21年11月施行の改正銀行法により、銀行は原則禁止されている「銀行以外の業務」についても、地域再生などに役立つ事業であれば子会社による参入が認められるようになった。今後、地域のまちづくりをプロデュースする会社や、脱炭素に貢献するような会社も候補に、他の事業への進出も検討する見通しだ。

静岡労働局によると、22年12月の県全体の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍と全国の1.35倍を下回る一方、静岡市の葵、駿河両区を管轄するハローワーク静岡管内の有効求人倍率(原数値)は2.15倍と高水準の地域もある。様々な例が考えられるが、人手不足の影響も強い。県全体では近年、特に介護、建設など様々な業界で人材難が深刻化している。子会社化後はしずおかFGのグループ内だけでなく、専門性の高い人材を外部からも積極登用し、地域企業に派遣できる体制づくりも進める方針だ。

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