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中国5県景況感、改善でも拭えぬ不安  日銀6月短観

飲食店に休業要請が出され、閑散とする広島市中心部の繁華街(5月中旬)

日銀が1日発表した中国地方の6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で0だった。前回(3月)から7ポイント上昇し、4四半期連続で回復した。1年半ぶりにマイナス圏を脱したものの、先行きの見通しは厳しい。半導体の需給逼迫で自動車生産が制限されているほか、サービス業で客数減が続いている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値で、企業がみる足元の景気を表す。調査対象は770社で、全ての会社が回答した。全国の全産業DIはマイナス3と、前回から5ポイント改善した。

全27業種のうち、15業種でDIが改善した。製造業は10ポイント上昇して1となった。指数がプラスとなるのは2019年12月の調査以来。先進国でワクチン接種が進んで世界経済が回復し、素材産業などで輸出が好調に推移している。

自動車のDIは14ポイント悪化してマイナス14となった。米中で需要回復を取り込み、マツダの世界販売は20年春を底に回復した。しかし半導体不足が足かせとなっており、全体の生産・販売台数の水準はまだ高くない。

半導体不足による減産は、4~5月で約2万4千台。同社は6月下旬、防府工場(山口県防府市)で一部ラインの稼働を7月に10日間停止すると発表した。部品メーカーからは「半導体不足は想定よりも長引いている。本格的な回復はまだ見通せない」(幹部)との声が聞かれる。

工場火災を起こしたルネサスエレクトロニクスへの依存度が他社に比べてやや高いこともあり、半導体不足の影響は全国でみてもマツダで目立っている。

三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)でも半導体不足の影響で、3月から生産調整を実施。同社全体では6月に約3万台の減産となった。足回り部品などを出荷するヒルタ工業(同県笠岡市)の昼田真三会長は「三菱向けの売り上げが落ち込み、影響は非常に大きい」と話す。9月ごろに半導体の供給不足が解消するとみている。

化学は24ポイント上昇の41だった。日銀下関支店の蒲地久司支店長は「アジアなどへの輸出が好調で、今後も高水準の操業が続く見込みだ」と話す。

非製造業のDIは2ポイント上昇のマイナス3だった。宿泊・飲食サービスは6ポイント悪化してマイナス67だった。広島県と岡山県で5月に緊急事態宣言が発令され、人々の外出が減った。両県を中心に6月にかけて旅行や外食、買い物など個人消費が大きくしぼんだ。

山陰有数の温泉街である玉造温泉(松江市)ではコロナ再拡大をうけ、6月の平日に休館日を設けた旅館も一部にあった。鳥取県米子市の皆生温泉では依然として観光需要が回復する兆しはない。

皆生温泉旅館組合によると「規模の大きい旅館ではなお休館日を設けながらの営業もみられる一方、高級志向の中小規模の旅館で比較的稼働率の高いところもある」(担当者)。県外からの観光客が見込みにくいなか、近場の客の深掘りに力を入れている。

宿泊・飲食サービスの先行きDIは31ポイント改善のマイナス36を見込む。ワクチン接種が進み、移動需要が戻ることへの期待がある。玉造温泉の旅館「長生閣」の担当者は「夏休みに向け県外客の予約も徐々に入ってきており、回復の兆しもみえる」と話す。

全産業の先行きDIは4ポイント悪化のマイナス4の見込み。ワクチンへの期待は高いが、全体としては経済効果を慎重にみる企業が多いためという。

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