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77回目の慰霊、広島原爆の日 「全ての核ボタン無用に」

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広島は6日、被爆から77回目の「原爆の日」を迎えた。広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が開かれ、被爆者や遺族らが参列した。ロシアがウクライナ侵攻を続けるなど、世界で核兵器の脅威が高まっている。松井一実市長は平和宣言で「一刻も早く全ての核のボタンを無用のものにしなくてはならない」と核廃絶を訴えた。岸田文雄首相は「核兵器のない世界への道を歩む」と強調した。

式典の参列者は約2800人。海外からは99カ国と欧州連合(EU)の代表者が参加した。国連のグテレス事務総長は2010年の潘基文氏以来、事務総長として2度目の出席となった。ロシアとベラルーシは招待されなかった。

松井市長は平和宣言で、日本政府に核拡散防止条約(NPT)再検討会議での橋渡し役を果たすことを求め、核兵器禁止条約に関しては一刻も早く締約国となるよう求めた。23年に広島市で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する核保有国の首脳らには、核兵器使用の結末を直視し廃絶への一歩を踏み出すよう訴えた。

松井市長は「戦争と平和」で知られるロシアの文豪トルストイの言葉も引用し「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない」と強調。21年に96歳で亡くなった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の元代表委員、坪井直さんにも触れ、「ネバーギブアップ」の精神を受け継ぎ核兵器廃絶の実現を目指し続けると述べた。

岸田首相は核兵器使用の惨禍を繰り返さないことが「唯一の戦争被爆国である我が国の責務であり、被爆地広島出身の首相としての私の誓いだ」と語った。「我が国はいかに細く、険しく、難しかろうとも、核兵器のない世界への道を歩む」として、非核三原則の堅持を表明し、NPTの維持・強化を訴えた。核兵器禁止条約には触れなかった。

グテレス事務総長は「深刻な核の脅威が中東から朝鮮半島へ、そしてロシアによるウクライナ侵攻へと世界各地で急速に広がっている」と言及した。核保有国に対しては事務総長として初めて「核兵器の先制不使用」の約束を求めたうえで、「核の脅威に対する唯一の解決策は核兵器を一切持たないことだと認識しなければならない」と説いた。

式典では、この1年間に亡くなったり、死亡が確認されたりした4978人の名前を加えた原爆死没者名簿が原爆慰霊碑の石室に納められた。記帳された死没者総数は33万3907人となった。

式典は新型コロナウイルスの感染対策を講じ、3年ぶりに一般席を設けて希望者を事前募集した。原爆が投下された時刻の午前8時15分には平和の鐘が鳴り、参列者が黙とうをささげた。

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