フィリピン大統領、国賓での訪日調整 副大統領が発言
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【マニラ=志賀優一】フィリピンのマルコス大統領が国賓として訪日することで日本政府と最終調整していることが29日、わかった。サラ・ドゥテルテ副大統領が地元メディアに明らかにした。中国が南シナ海で海洋進出を続けるなか、日本は米国の軍事同盟国であるフィリピンとも連携を深める考えだ。
地元有力紙マニラ・ブレティンが同日、安倍晋三元首相の国葬に参加し帰国したサラ氏が「日本政府が国賓としてマルコス氏の来日を調整していると理解している」と発言したと報じた。具体的な時期は明らかにしていないが、年内に訪日する可能性がある。
サラ氏は訪日時に岸田文雄首相とも会談しており、マルコス氏の訪日も調整を進めたとみられる。フィリピンと日本は、サラ氏の父であるドゥテルテ前大統領の政権の最終盤である4月に外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を初めて開くなど関係を深めている。
ドゥテルテ氏は通商関係を重視して中国に融和的な姿勢を貫いた一方、6月末に就任したマルコス氏は伝統的に協力する米国との関係を重視している。米国に加え日本との関係を強化することで日米と防衛で協力を強化する考えがありそうだ。
マルコス氏は6月末の大統領就任後、9月上旬に東南アジアでインドネシアとシンガポールで初外遊したのち、米ニューヨークで岸田文雄首相とバイデン米大統領と会談した。日本は台湾情勢が緊迫するなか南シナ海に面するフィリピンとの関係強化を狙う。