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初の高速、無料で試験運用 カンボジア強まる中国傾斜

【プノンペン=共同】カンボジア初の高速道路がほぼ完成し、無料での試験運用が10月1日に始まった。同国政府は11月にも正式な開通式典を開き、料金を徴収する本格運用を開始する見通し。巨大経済圏構想「一帯一路」を提唱する中国が20億ドル(約2900億円)を拠出し、当初の50年間運営する。カンボジアのフン・セン政権の中国傾斜が一段と強まっている。

大型貨物船が出入りできる港湾を備えた一帯一路の重要拠点、カンボジア南部シアヌークビルと首都プノンペンの約190キロを結ぶ。これまでは一般道で約5時間かかったが、約2時間に短縮される。給油所や休憩施設も建設、インターチェンジは10カ所近くある。

「手を携えて中国カンボジアの運命共同体をつくろう」。完工前の9月、取材の許可を得て走行すると、高速道路の上を渡る橋梁に、中国国旗を思わせる赤地に中国語が記された横断幕が掲げられていた。電光掲示板には「車間距離を取りましょう」と中国語で注意が呼びかけられていた。

中国外務省の毛寧副報道局長は10月8日の記者会見で「一帯一路の重要プロジェクトだ。進展を喜んでいる」と強調。フン・セン首相は同17日「試験走行で20万台が利用した」と成果を誇った。中国政府系の「中国路橋工程」が50年かけて通行料金を徴収して運営し、巨額の投資を回収する。

港湾都市シアヌークビルでは2016年ごろから中国系企業によるリゾート開発が加速し「リトルマカオ」とも呼ばれた。中国が新たな海外拠点にする疑いがあるとして米国が警戒する南西部リアム海軍基地も近い。基地は中国の財政支援で拡張工事が進んでいる。

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