極超音速兵器とは マッハ5以上で飛行、戦闘を一変
▶極超音速兵器 音速の5倍にあたるマッハ5以上の「極超音速」で、弾道ミサイルとは異なる低い軌道を長時間飛行する。機動的で変則的な動きをすることから、従来のミサイル防衛システムでは迎撃が極めて難しい。打ち上げたロケットから分離して攻撃目標まで飛行する「極超音速滑空体」と、空気を取り入れながら加速することが可能な「極超音速巡航ミサイル」の2種類がある。

防衛白書によれば、極超音速兵器は「将来の戦闘様相を一変させる可能性を持つ」とされ、主要国が開発に注力している。冷戦時代、ソ連はミサイル防衛システムを回避するために弾道ミサイルより低い軌道で飛び、核兵器を搭載できる軌道爆撃の「部分軌道爆撃システム(FOBS)」を開発していたが、極超音速兵器はさらに低い高度を飛行する。
ロシアは2019年、極超音速ミサイルシステム「アバンガルド」を初めて実戦配備した。20年10月には最新型の極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射実験に成功したと発表している。

北朝鮮も21年9月、兵器開発機関である国防科学院が極超音速ミサイルの発射実験を実施した。北朝鮮メディアによれば、実験では燃料部分の安定性も確認され、移動式発射台を使って任意の場所から撃てる能力を着々と向上させている。
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