サル痘、「M痘」に名称変更推奨 偏見回避へWHO
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【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は28日、動物由来のウイルス感染症「サル痘」の名称を「M痘」とするよう推奨した。1年間の移行期間を経て完全に変更するとしている。Mは英語でサルを意味する「MONKEY」の頭文字。
自然界の宿主がアフリカに生息する齧歯類とみられている上、偏見を避けるため動物や国・地域などの固有名詞を病名に付さないとの2015年の指針に基づき変更を決めた。ウイルスが1958年にデンマークで実験動物のサルから発見されたため、サル痘と命名されていた。
WHOは今年7月23日にM痘が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言。WHOとして最高度の警告を発することで、各国に警戒を訴えている。緊急事態宣言は、新型コロナウイルス感染症に対しては20年1月30日に出されている。
M痘は今年5月以降、従来継続的に流行していたアフリカ中西部以外で感染が確認される例が続出し、世界の広範囲で同時に感染が確認された初の事態となった。今年1月1日から今月26日までに、110カ国・地域で8万人超が感染し、55人が死亡した。
M痘患者の体液や患部との接触などを介して感染するが、大半は軽症で治癒する。WHOによると、大半の患者は男性の同性愛者。
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