チェコ新大統領にパベル氏 NATO元高官、決選制す
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【プラハ=共同】チェコでゼマン大統領の任期満了に伴う大統領選の決選投票が27、28両日実施され、ロシアが侵攻したウクライナの支援強化を訴える元北大西洋条約機構(NATO)高官のペトル・パベル氏(61)が、アンドレイ・バビシュ前首相(68)を破り、勝利した。チェコ統計局によると、パベル氏の得票率は約58%で、投票率は約70%だった。
チェコはNATOと欧州連合(EU)の加盟国。物価高騰の中でも、ウクライナ支援を進めるフィアラ政権に近いパベル氏が支持を集めた。チェコでは首相が政策を主導し、大統領の権限は限定的。
NATO軍事委員会の議長を務めた経験もあるパベル氏は「大統領選を通じて分断された社会を修復する」と勝利を宣言。一致団結することでチェコの安定と発展を目指す考えを示した。
野党「ANO2011」を率いるバビシュ氏は敗北を受け入れ、パベル氏に対して「みんなの大統領になり、チェコの国益を確保してほしい」と呼びかけた。
8候補で争われた13、14日の大統領選では約35%を獲得したパベル氏が首位となり、僅差でバビシュ氏が2位。当選に必要な過半数に届かず、決選投票にもつれ込んだ。