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不正憎んだ生涯、歯にきぬ着せず 南アのツツ元大主教

【ロンドン=時事】26日死去した南アフリカのツツ元大主教は、生涯にわたって不正を憎み、権力者に対しても臆することなく物申すことをやめなかった。一方でその厳しさと裏腹に、常にユーモアを忘れない陽気な人柄が多くの人々を魅了し、尊敬を集めた。

若い頃に父と同じ教職を目指したツツ師の人生の方向を変えたのは、黒人への教育を制限するため1953年に白人政権により制定されたバンツー教育法だった。教育の限界を感じたツツ師は、白人ながらアパルトヘイト(人種隔離)に反対する聖職者トレバー・ハドルストン師らの強い影響を受け、聖職者への道を歩むことになる。

教会での地位が高まるにつれ、ツツ師はいや応なく政治的にも重要な指導者となっていく。後に大統領となる反アパルトヘイト指導者、故ネルソン・マンデラ氏が獄中にある間も、「南アの道徳的良心」として平和的デモの組織など活発な活動を展開した。「アパルトヘイトは聖書の言葉やキリスト教精神に反する」という宗教的確信がその活動を支えた。

人種隔離廃止後も各地の紛争などで歯に衣(きぬ)を着せぬ発言を続けた。2002年にはパレスチナの状況について「南アで黒人に起きたことを想起させる」とイスラエルのパレスチナ政策を厳しく批判。08年にはジンバブエのムガベ大統領を「マンガのような典型的アフリカの独裁者」に堕したと痛罵した。

晩年は世界的指導者グループ「エルダーズ」の議長も務め、政治問題に限らず、エイズ、貧困、同性愛といった現代社会が抱える社会問題についても言葉を発し続けた。エルダーズのウェブサイトは「難解なメッセージを明確に、同情心を持って、陽気に伝える能力こそツツ師を現代で最も愛され、尊敬される活動家の一人とした」と、ツツ師の特質や偉大さを簡潔に表現している。

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