ウクライナへの戦車供与「防衛のために必要」 EU高官

欧州連合(EU)対外行動庁(外務省に相当)のサニーノ事務総長は27日、都内で記者団に対して、米国や欧州諸国が主力戦車をウクライナへ供与することを相次いで表明していることについて、「ウクライナが自国を防衛するために必要なものだ」と話した。ロシア側を攻撃するためのものではないと強調した。
サニーノ氏はロシアがウクライナの軍事施設のみならず、「無差別に民間の建物を爆撃している」と批判。ロシアによる攻撃の対象や質が今後も変わることを念頭に、「軍事支援もグレードアップさせなければならない」と述べた。
一方、戦車はあくまで「新たな脅威から自国を守るためのもの」と話した。戦車供与を決めた各国の首脳や高官らも「防衛」の側面を強調しており、過度にロシアを刺激するのを避ける狙いがにじむ。
ウクライナでは融雪を終える春にかけて、ロシアが大規模な攻撃を仕掛けるとの懸念が高まっている。国土の奪還に向けた地上戦では、性能が高い米欧の主力戦車がカギを握るとされる。米政府はウクライナに「エイブラムス」を31両供与するほか、ドイツなども独製主力戦車「レオパルト2」を供与することを決めた。