世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大 - 日本経済新聞
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世界の超富裕層1%、資産の37%独占 コロナで格差拡大

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界の富裕層と貧困層の格差が広がったことがわかった。フランスの経済学者トマ・ピケティ氏らが運営する「世界不平等研究所」(本部・パリ)が発表した。世界の上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占め、下位50%の資産は全体の2%にとどまった。

報告書によると、特に最上位の2750人だけで3.5%に当たる13兆ドル(約1500兆円)超を占めた。上位10%では全体の75.6%を占めた。1990年代半ば以降に世界全体で増えた資産の38%を上位1%が占めていた。

コロナ禍で経済活動が制限される一方、景気刺激のための財政出動や金融緩和によるマネーが株式市場などに流れ込み、多くの資産を保有する富裕層に恩恵をもたらした。報告書は「不平等は今後も広がり続ける」とした。

世界全体の所得に占める割合は、上位10%の富裕層が52%に上り、下位50%はわずか8.5%だった。

地域別にみると、最も格差が大きいのは中東・北アフリカ地域(MENA)で上位10%が全体の所得に占める割合の58%を占めた。格差が最も小さいのは欧州で、上位10%が36%を占めた。日本は同44.9%だった。

日本は上位10%の資産が57.8%でそのうち最上位1%は24.5%を占めた。下位50%は5.8%だった。報告書は日本の富の分布について「欧州ほどではないが非常に不平等だ」と指摘した。1980年代から収入格差が広がっているとした。

労働で得た収入に占める男女比を分析したところ、賃金格差や家事負担の不平等を背景に女性の割合は全体の35%にとどまった。日本は28%で、主要7カ国(G7)で最低だった。中国(33%)や韓国(32%)も下回った。

世界不平等研究所は超富裕層の富の増え方を長期間にわたって分析しており、4年ぶりに報告書を出した。100人以上の研究者が各国公表の国民所得や税務統計などを基に、国際比較できる共通指標で分析した。

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