民間人少なくとも64人が死亡、ウクライナで 国連報告

国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、ロシア軍によるウクライナへの侵攻でこれまでに少なくとも民間人64人が死亡、176人が負傷したと発表した。OCHAは報告書で「実際の数字はこれよりもかなり多い」と懸念を表明し、人道支援の強化を訴えた。
ウクライナ保健相は26日午前までに子ども3人を含む198人が死亡、1115人が負傷したと明らかにしていた。米CNN(電子版)は首都キエフで26日夕に起きた銃撃戦に巻き込まれ、6歳の男児が死亡したと地元の病院の話として報じた。
ロシア軍は攻撃を一段と強めており、民間人を含む犠牲者が膨らむ恐れが大きい。ウクライナ当局は27日未明、ロシア軍がキエフ近郊の放射性廃棄物貯蔵所を砲撃したと発表した。貯蔵施設自体に損傷はなく、人体に脅威を与えるような被害は確認されていないとしている。
OCHAの報告書によると、ロシア軍の攻撃で電力網などのインフラが被害を受け、ウクライナで数十万人が電気や水の供給を受けられなくなっている。数百棟の家屋が損壊し、橋や道路も砲撃の被害を受け、物資の供給ルートを断たれた地域もあるという。
住む場所を追われた市民も多い。ウクライナでは16万人以上が国内の別の地域への避難を余儀なくされた。このほか11万6000人が欧州へ国外退避している。最大で500万人もの難民が発生する可能性がある。ウクライナの人口は4410万で、キエフには約290万人が住んでいる。

ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。
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