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ロシア、黒海艦隊の司令官逮捕か ウクライナ国防省

旗艦モスクワ沈没、責任問われた可能性

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ロシアの黒海艦隊旗艦、巡洋艦「モスクワ」の沈没が波紋を広げている。ウクライナ国防省は22日、黒海艦隊の司令官が逮捕されたとの情報があると明らかにした。沈没の責任を問われたとみられる。ロシア軍の士気低下が予想される一方で、当面の焦点となるウクライナ東部の地上戦への影響は限定的との指摘がある。

ウクライナ国防省情報総局が幹部の発言として、ロシア黒海艦隊のイーゴリ・オシポフ司令官が解任され、逮捕されたと22日にSNS(交流サイト)で伝えた。黒海艦隊の副官も取り調べを受けているという。

司令官のほかにも複数の将官が解任されたとの情報がある。軍に大きな損失を出したとして、戦車部隊の指揮官らが解任されたという。ウクライナ国防省はモスクワの沈没を受け、ロシアのプーチン政権内で軍司令部への圧力が一段と強まっているとの見解を示した。

モスクワは14日に沈没した。米国防総省高官はウクライナ軍が国産の対艦ミサイル「ネプチューン」で攻撃したと分析した。ミサイルが命中し、艦上の弾薬や燃料に引火して沈没した可能性がある。

ロシア国防省は22日、乗組員の1人が死亡、27人が行方不明になっていると明らかにした。死者が出たことを初めて認めたが、ウクライナ軍の攻撃が原因かは言及を避けている。

インターネットでは沈没直前とみられるモスクワの画像や動画が拡散している。画像からは前方から煙が上がり、傾いた艦船が確認できる。モスクワは約60隻の黒海艦隊の旗艦とされ、英国防省は「黒海での(ロシア軍の)活動が打撃を受ける可能性がある」とみる。

ロシア軍がモスクワの代わりとなる軍艦を追加派遣するのは難しい。トルコはボスポラス、ダーダネルス両海峡の管理権を定めたモントルー条約に基づき、外国の軍艦が戦時下に海峡を通るのを拒否できる条項を適用し、黒海を軍事的に閉じている。このためロシアの軍艦は通過が制限される。

防衛研究所の長谷川雄之研究員は沈没の影響について「黒海艦隊にとってモスクワは象徴的な存在だ。艦隊の士気をくじくだけでなく、今回黒海に展開しているロシア海軍の作戦に大きな影響を与えるだろう」と語る。

モスクワは黒海で防空を主要任務としていたとみられている。ウクライナ国産のミサイルで重要艦船が打撃を受けたことで、ロシア軍は黒海北部に近づきにくくなる。南部の港湾都市オデッサへの上陸作戦はリスクが増した。

旗艦の損失が陸上戦主体のウクライナ東部での戦況に与える影響は限られる側面もある。米ランド研究所のウィリアムズ上級国際防衛政策研究員は「ウクライナ侵攻でのロシア海軍の貢献はごくわずかだ」と話す。ロシア軍が海軍による作戦に慎重になるとみつつも、優先地域と位置づける東部での地上侵攻への影響は軽微だと指摘した。

米アトランティック・カウンシルのブルゼズィンスキー上級研究員は「ロシア軍が残忍さを増し、さらに無差別的(な攻撃を加えるよう)になる可能性がある」と指摘した。

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