/

ロシア国防相、ウクライナ国境からの軍撤収を命令

再侵攻の可能性は当面後退か

(更新)

【モスクワ=石川陽平】ロシアのショイグ国防相は22日、ウクライナとの国境近くに展開していた軍部隊に対し、5月1日までに本来の駐屯地や基地に戻るよう命じた。ロシア南西部には10万人以上とされるロシア軍が集結し、ウクライナに再び侵攻する可能性が指摘されており、一定の緊張緩和につながるかが注目される。

部隊の撤収は、ショイグ国防相が22日に訪問先のクリミア半島で開いた軍の会合で命令を出した。「ロシア軍は国境付近でのすべての状況の変化に適切に対応している」と指摘し、一連の軍事演習などにより緊急即応体制の点検が終わったことを強調した。軍撤収は23日に始まるとしている。

ロシアとウクライナの国境地域には、両国軍が集結し、軍事衝突が懸念される緊迫した状況が続いている。米国防総省と欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は19日、国境地域に過去最大の「10万人以上」のロシア軍が集結していると述べ、14年に続いてウクライナに再び侵攻する可能性を懸念した。

23日からロシア軍の撤収が始まったとしても、国境地域の緊張緩和が進むかはなお不透明だ。ショイグ国防相は22日の会合で「この地域では北大西洋条約機構(NATO)軍の行動がきわめて活発になっている」と批判し、「好ましくない状況に発展した場合には直ちに対応できる準備態勢を維持する」と強調した。

ショイグ国防相が警戒するのは、米主導のNATO軍が欧州各地で大規模に実施している軍事演習「ディフェンダー・ヨーロッパ2021」だ。この軍事演習にはウクライナも参加している。南西部に集結したロシア軍はNATO軍の動きをけん制しつつ、14年から続くウクライナ東部紛争に再び介入する可能性を探っていたとみられている。

ウクライナ東部情勢を巡っては、同国を支持する米国のバイデン大統領が13日のプーチン氏との電話協議で、数カ月以内に第三国で首脳会談を開くことを提案した。直接会談でロシアによる軍事的挑発をやめさせる考えだが、事前の調整が難航すれば、再びロシアが揺さぶりを強める恐れがある。

ロシアとの国境地域にあるウクライナ東部では14年、親ロシア派武装勢力がロシア軍の支援を受けて蜂起し、泥沼の紛争となった。死者は合計1万4千人に達する。20年には東部紛争の和平協議が一段と行き詰まり、ロシアとウクライナは互いに軍事的手段に訴えるのではないかとの疑念を深めていた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン