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産ガス国首脳会議、ウクライナ危機が影 顧客離れ警戒

(更新)

【ドバイ=岐部秀光】主要な天然ガス産出国で構成するガス輸出国フォーラム(GECF)は22日、カタール首都ドーハで首脳会議を開いた。地政学リスクやコロナ危機後の需要回復により高騰するエネルギー価格を念頭に、各国は安定的な市場への供給を続ける立場を強調した。

ロシアが資源を政治的な武器として利用することをちらつかせているなかでの開催となった。首脳会議は原油に比べクリーンなエネルギーとされる点を前面に出すが、安定供給の継続というアピールには長期的な顧客離れを招きかねないことへの警戒感ものぞく。

首脳会議にはイランのライシ大統領やアルジェリアのテブン大統領らが出席。ウクライナ危機で注目を集めるロシアのプーチン大統領は参加を見送った。GECFは11カ国で構成し世界の天然ガス埋蔵量の7割以上を占める。

ロシアのシュルギノフ・エネルギー相は会議で「ロシアは市場への供給を続ける」と発言し、欧州への供給停止という政治利用を否定する姿勢を示した。市場では欧米の制裁に対抗し、ロシアがパイプラインを通じた天然ガス供給を停止するおそれがあると懸念が広がっている。

ライシ氏は、米国による制裁でイランが石油や天然ガスの開発や輸出が難しくなっていることを念頭に「各国はこうした制裁を容認すべきではない」と批判した。

エネルギー市場では価格の高止まりが続く。気候変動問題を背景とする欧米石油会社のダイベストメント(投資撤退)で、石油や天然ガスの供給が細るとの懸念も強まっている。ウクライナ危機は石油や天然ガスの相場に一段と上昇圧力を加える。

ただし、ウクライナ危機でロシアが欧州向けのガス供給を停止した場合に、それを補う余力はGECF加盟国にはない。原油と対照的に天然ガスは長期の固定契約が主流で、カタールなどの有力産出国が供給を欧州に切り替えるにはアジアを中心とする顧客の了承を得る必要がある。

▼ガス輸出国フォーラム(GECF) 天然ガス資源を持つ国によって構成される国際組織。ロシア、カタールの主導で2008年に定款が定められ、本部事務所がカタール首都ドーハに置かれた。当初は「ガス版OPEC」とも呼ばれ、カルテルとしての側面を強める懸念があったが、ゆるやかな連携・協力にとどまっている。加盟国はロシア、カタール、イラン、リビア、アルジェリア、ナイジェリアなど。有力な産ガス国である米国やオーストラリアは加盟していない。

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