東ティモール総選挙 独立の英雄率いる野党優勢

【ディリ=共同】2002年にインドネシアから独立した東ティモールで21日、一院制議会(65議席)の総選挙が行われた。事前の世論調査では、野党東ティモール再建国民会議(CNRT)が優勢。同党を率いる独立の英雄グスマン元首相(76)は21日、首都ディリ郊外で投票し、「国民が望んでいる」と述べ再登板に意欲を見せた。
即日開票され、早ければ22日に大勢が判明する。グスマン氏は15年に首相を辞任したが、今も絶大な人気を保つ。ただ、CNRTが過半数の議席を取れなければ連立交渉にもつれ込み、政権交代の可否は不透明となる。
同国は経済低迷が続き、与党の東ティモール独立革命戦線(フレティリン)は批判を浴びる。昨年の大統領選では、非暴力の独立運動を展開しノーベル平和賞を受けたラモスホルタ氏(73)がCNRTの支持を得て返り咲いたが、与野党ともに指導者層の世代交代は進んでおらず、国政停滞が続いている。
議会選は独立から5回目。計17党が比例代表制で争う。任期は5年。有権者は17歳以上で約89万人。東南アジア諸国連合(ASEAN)正式加盟に向け、行政機構整備など人材確保が急務となっている。