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ウクライナ、核燃料も脱ロシア エネ相代行「23年ゼロ」

ウクライナのビトレンコ・エネルギー相代行=ウクライナエネルギー省提供

ウクライナは原子力発電所に使う核燃料について、ロシア依存からの脱却を急ぐ。米企業からの調達を増やし、2023年までにロシア企業からの輸入をゼロにすることを目指す。ロシアとの緊張関係が続いており、エネルギー安全保障を強化する狙いがある。

ユーリー・ビトレンコ・エネルギー相代行が27日までに日本経済新聞の取材に明らかにした。

ウクライナでは現在、4カ所15基の原発が稼働する。ロシアがウクライナ領クリミア半島の併合を一方的に宣言した14年以降、核燃料の調達先をロシア国営原子力企業傘下のTVELから米ウエスチングハウス(WH)へと切り替えを進めてきた。WHは東芝の子会社だった17年に経営破綻した。カナダ系投資ファンド傘下で再建に取り組んでいる。

現在6基でWHがスウェーデン工場で製造した核燃料を使っているが、ビトレンコ氏は23年までに残りの原発の核燃料もロシア製から切り替える方針を示した。WHと共同で国内での核燃料製造を検討する。使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設も進める。「原発稼働に必要な工程をロシアに頼らず賄えるようになる。エネルギー安保にとって重要だ」と強調した。

国際原子力機関(IAEA)によると、ウクライナの発電量に占める原子力の割合は19年に53.9%と1990年の25.5%から上昇した。欧州ではフランス(70.6%)に次いで高い水準にある。26日にはウクライナのチェルノブイリ原発で86年に事故が起きてから35年となった。現在も30キロメートル圏内の立ち入りが制限されており、廃炉作業が終わる具体的なメドは立っていない。

チェルノブイリ原発は事故から35年を迎えた(写真は15日)=AP

ロシア側は旧ソ連の原発に米国の核燃料を使うのは危険だと反発している。ビトレンコ氏は「国外の技術者と長年にわたって安全対策に取り組んできた。使用中の原発でも問題は生じていない」と主張した。

同氏は「ロシアはエネルギーを地政学的な武器として使い、ウクライナに影響を及ぼそうと試みてきた」と非難する。同国にはロシアの天然ガスを欧州に運ぶパイプラインが通る。ロシアとの価格交渉が決裂し、供給が止まる事態が繰り返されてきた。近年、ロシアからガスを直接買うのを停止している。

4月にロシア軍がウクライナとの国境近くで部隊を増やして緊張が高まったのに伴い、同国へのディーゼル燃料輸出をロシアが停止するとの観測も浮上し、状況を注視しているという。

ドイツとロシアを結び、ウクライナを迂回するロシア産ガスの新パイプライン「ノルドストリーム2」が完成すれば、ロシアがウクライナへの圧力を再び強めるとの見方がある。ビトレンコ氏は「ロシアによる軍事作戦のリスクが高まる」と強調した。欧州の安保にも脅威になるとして、米国による踏み込んだ制裁や、建設を支持するドイツに方針転換を訴えた。

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