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バイデン大統領、ウクライナを電撃訪問 侵攻後初

(更新)
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【この記事のポイント】
・ロシアの侵攻から1年、ウクライナ支援揺るがず
・「世界各国が連合」、民主主義陣営の結束を強調
・5億ドルの軍事支援や対ロシア制裁強化を表明

【リビウ(ウクライナ西部)=田中孝幸】バイデン米大統領が20日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を予告なしに訪問し、同国のゼレンスキー大統領と会談した。ロシアの侵攻開始から1年を前に「世界各国が連合を組む」と支援継続に向けた国際社会の結束を強調した。バイデン氏のウクライナ訪問は2022年2月のロシアによる侵攻開始以降、初となる。

米ホワイトハウスが発表した。バイデン氏はウクライナに新たに5億ドル(約670億円)規模の軍事支援を実施すると表明。対ロシア制裁を強化する考えも示した。

両首脳はキーウの大統領府で会談後に共同会見した。追加の軍事支援でロシアの空爆にさらされるウクライナの都市の防空能力を強化する考えを明らかにした。バイデン氏は「プーチン(ロシア大統領)の征服は失敗している」と強調した。

今回のウクライナ訪問には、民主主義陣営のリーダーとして、権威主義陣営との戦いにおける結束を内外に示す狙いがある。ロシアによる侵攻が長期化し、各国の支援姿勢には温度差が出始めた。米国でも野党・共和党でウクライナ支援予算の見直し論が浮上している。

バイデン氏は訪問の目的を「ウクライナの民主主義、主権、領土保全に対する揺るぎない関与を再確認する」ことだと説明。侵攻から1年を前に「ウクライナは立ち向かっている。民主主義は立ち向かっている。米国ではアメリカ人があなたとともに立っている」と連帯を表明した。

ゼレンスキー氏は「ウクライナが世界の自由のために戦っているこの最も困難な時期に、ウクライナにとって最も重要な訪問になった」と謝意を表明。「長射程の兵器など、未供与だがウクライナに供給されるかもしれない兵器について話した」と明らかにした。

5億ドルの軍事支援には対戦車ミサイルや榴弾砲などが含まれる。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問によると、バイデン氏は「ロシアは確実に敗北するだろう。ウクライナは必要なすべての兵器を手に入れることになる」と語った。

現地の欧米の治安関係者によると、バイデン氏は20日午前8時(日本時間午後3時)ごろキーウに到着し、5時間程度滞在した後に隣国ポーランドに向かった。

米国家安全保障会議(NSC)当局者によるとバイデン氏のキーウ訪問は17日に最終決定した。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は20日、記者団にバイデン氏のウクライナ訪問についてロシアに事前通告していたと明らかにした。

バイデン氏はウクライナ侵攻開始から1年を前に、ポーランドの首都ワルシャワを訪問することを表明していた。21日にはワルシャワでポーランドのドゥダ大統領と会談するほか、ウクライナ侵攻への対応を巡る演説を行う予定だ。

主要7カ国(G7)ではウクライナ侵攻後、フランスやドイツ、英国、イタリア、カナダの各首脳がキーウを訪問した。

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