ホルタ氏が大統領就任 東ティモール独立20年

【ディリ=共同】東ティモール大統領の就任式が首都ディリで19日開かれ、ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏(72)が就任した。10年ぶりの再登板となったホルタ氏は演説で「平和のために尽くすことを再確認する。若い民主主義を守ることが大統領としての優先事項だ」と述べ、雇用創出などに取り組むと強調した。
東ティモールは20日、隣国インドネシアの支配から独立して20周年を迎えた。ディリでの記念式典では国歌斉唱とともに国旗を掲揚。参列者は独立闘争時の犠牲者に黙とうをささげた。ホルタ大統領は独立宣言を読み上げ、会場外に集まった子どもたちも招き入れた。
東ティモールはコーヒー以外の主要産業に乏しく、石油・天然ガスに依存した国家歳入構造から抜け出せずにいる。ホルタ氏は経済の停滞を打開する具体策を求められそうだ。
ホルタ氏は4月に行われた大統領選の決選投票で勝利した。就任後の演説で、病院や大学の増加など独立後の進歩を評価。各国との関係にも言及し、ディリの空港整備を支援している日本に謝意を表明した。
ホルタ氏は独立運動への協力を国際社会に訴え、1996年にノーベル平和賞を受賞。2007~12年にも大統領を務めた。来年の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟実現を求めている。