平和賞レッサ氏に脱税無罪 フィリピン裁判所

【マニラ=共同】フィリピンの租税裁判所は18日、2021年にノーベル平和賞を受けたマリア・レッサ氏と、同氏が率いる独立系ニュースサイト「ラップラー」に対する脱税の嫌疑を認めず、無罪を言い渡した。政権を批判し続けてきたレッサ氏は判決後、「政治的動機に基づく嫌疑だった」と指摘し、「正義の勝利だ」と訴えた。
レッサ氏はドゥテルテ前政権期に当局からほかにも数多くの嫌疑をかけられ、法廷闘争を強いられている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は「報道の自由の勝利だ」として歓迎。ほかの嫌疑にも無罪判決を期待すると表明した。
ラップラーは昨年6月、マスメディアの外国人所有規制に違反したとして証券取引委員会に法人登録抹消の処分を受けたが、ラップラーは違反はないと反論し、報道活動を継続。HRWは政権側による「報復」だと批判している。