トランプ氏「21日に逮捕」と投稿 支持者に抗議呼びかけ

【ワシントン=坂口幸裕】トランプ前米大統領は18日、自ら立ち上げたSNS(交流サイト)「トゥルース・ソーシャル」で、自身が「21日に逮捕されるだろう」と書き込んだ。「検察からの違法な情報漏えい」で知ったとしている。支持者に「抗議し、国家を取り戻せ」と呼びかけた。
2016年の米大統領選で、過去に不倫関係にあった女性へ側近を通じて支払った口止め料をめぐり不正な会計処理をした疑いがある。大統領在任中には、大統領選直前に過去に不倫関係にあった女性に側近を通じて口止め料を支払い、暴露されるのを阻止したとも伝えられた。
口止め料の支払いに関しては、トランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン元受刑者が18年に選挙資金法違反などで実刑判決を受けた。
トランプ氏は18日、SNSに「共和党の有力候補である、前米大統領が来週の火曜に逮捕されるだろう」と投稿した。一方「いかなる犯罪も証明されておらず、誤った作り話に基づいている」と強調し、改めて関与を否定した。
トランプ氏を巡っては機密情報を隠蔽した疑いなどでも米連邦捜査局(FBI)が捜査している。司法省はスパイ活動法違反や捜査妨害の疑いがあるとみる。トランプ氏が起訴されれば、24年大統領選の共和党候補者指名争いで打撃になる可能性がある。
司法省は22年11月、トランプ氏の議会襲撃事件への関与や機密情報の扱いについて捜査する特別検察官を任命した。大統領選への出馬を表明した同氏への捜査の独立性を高める必要があると判断。すでに捜査に着手した。
21年1月6日の米連邦議会襲撃事件を調査してきた下院特別委員会は22年12月に暴動を扇動した容疑などでトランプ氏を刑事訴追するよう司法省に勧告すると決議した。18日も支持者をあおったと受け止められる表現を使った。
米国の法曹界ではトランプ氏が起訴されたり、有罪判決を受けたりしても次期大統領選への出馬は可能だとの見方が目立つ。合衆国憲法は大統領の要件を①米国生まれ②35歳以上③米国に14年以上居住――と規定する。起訴や有罪は出馬を制約すると明記していないためだ。
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